2013年11月30日

映画『サカサマのパテマ』

 珍しく続けてアニメ映画の鑑賞することに。場所は単館系の角川シネマ新宿。初参戦です。梅田ガーデンシネマと同じ系列の劇場ということで期待していましたが、ガーデンシネマの方が、お洒落でいい空間ですね。


Story
学校内で孤立気味の中等部2年生エイジ(声:岡本信彦)は、管理されたアイガ社会では珍しく教師にも反抗的な態度を示す不良っぽさのある少年だ。“かつて多くの罪びとが空に落ちた”と空を見上げることを忌み嫌うこの世界の慣習にも従わず、時折、学生寮を抜け出しては一人“空”を見上げている。そんなある日、突然現れた“サカサマの少女”パテマ(声:藤井ゆきよ)。必死にフェンスにしがみつき、今にも“空”に落ちそうな彼女を助けようと、エイジがパテマの手を握った瞬間、体がふっと軽くなり二人は空に浮かびあがる。落下する恐怖に慄くパテマと、想像を超える体験に驚愕するエイジ。この奇妙な出会いは、封じられた<真逆の世界>の謎を解く禁断の事件であった。しかしその頃、アイガの君主イザムラ(声:土師孝也)の元に“サカサマ人”が現れたとの報告が届く。イザムラは治安警察のジャク(声:安元洋貴)に、その“サカサマ人”を捕獲するよう命じるのだが・・・。
(Movie Walkerより)


 『かぐや姫の物語』を観た直後とあっては、映像表現としての斬新さでは劣ります。それでも、なかなか魅力的なビジュアル。日本のアニメーションって、本当に水準が高いと思います。

 ストーリーとしては、実験の結果、重力が反転して多くの文明と人類が空に“墜ちる”という大災害の後に生まれた地上の管理社会アイガと地底社会、重力の方向が上下反対の2つの世界の関係性が最後に反転するというオチが劇場で観た段階ではイマイチ理解できませんでした。

 アイガの禁を破って、忌むべき空へと向かおうとしたエイジの父の飛行船をエイジとパテマが発見した場所の意味も後で、ネット上で感想まとめのサイトを観て初めて理解できました。

 自分の理解力に難があったのかもしれませんが、実際に劇場で観ているときに理解できていたら、もっとこの作品に感心していたでしょう。

 でも、観ていて気持ちの良い映画だと思います。


『サカサマのパテマ』公式サイト
http://patema.jp/
posted by ふくちゃん at 19:44| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(3) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月25日

映画『かぐや姫の物語』

 新宿ピカデリーにて『かぐや姫の物語』を鑑賞してきました。各回最大客席数の1番シアター(580席)での上映ですが、なぜか唯一小さな5番シアター(157席)で上映している11:40の回で。月曜日の午前中ですが、そこそこの入りでした。

 元々は興味のない作品でした。『風立ちぬ』では少々がっかりしましたし、今さら「かぐや姫(竹取物語)」と言われてもなぁ・・・と。

 予告編や広告ビジュアルにもピンと来ず、食指は動きませんでした。

 でも、「なぜ、かぐや姫が地球に来て、再び月に帰らなければならないのか。かぐや姫が、罰として地球に送り込まれることになった罪とは何なのか」− 原作では明確に描かれていないその“真相”に、高畑監督が50年以上も前に思い至っていたこと、それが今回の映画化に繋がったこと、原作の“かぐや姫”を感情移入できる生き生きとしたキャラクタに描き換えたこと・・・などを知り、興味が湧きました。

 宣伝、上手いな(笑)。


Story
竹から出てきたかぐや姫が美しく成長し、男性たちからの求婚をかわし、やがて月に帰っていく様を綴った『竹取物語』。日本最古の物語と言われている『竹取物語』を題材に、姫が犯した罪と罰を描く。
(Movie Walkerより)


 感想をまず一言で表せば、「なんだか、すごいものを観た」です。

 残念ながら、僕が興味を抱いた「かぐや姫が地球に送り込まれることになった罪とは何なのか」は詳細には描かれていませんでした。公式サイトの「監督の言葉」にあるように、そのエピソードはカットされたのです(パンフレットには、50年前に考え付いた、その着想が詳しく書かれています)。

 このエピソードを入れた方が、“姫の犯した罪と罰”というキャッチコピーの意味がより明確になったのでは?・・・と思います。

 でも、とにかく素晴らしい。

 特に、絵。このタッチと映像は、今まで観てきたどんなアニメとも違います。手書きの温かさがあり、淡い水彩画のようでありながら、色彩に富んで、生命感に溢れている。

 音楽、唄、音響、効果、声の演技と相まった素晴らしい(語彙が貧困だなぁ・・・)総合芸術を、片時も目を離さず、かじりついて観ていました。

 高畑勲、すげぇ!・・・と感嘆しながら(スタッフの力も大きいはずですが)。

 ジブリ作品に限らず、俳優さんがアニメの声を当てると、どうも棒読み読みというか、感情の籠らない感じがすることが多いのですが、それも皆無。アフレコではなく、プレスコ(先に台詞を録音してから、それに合わせて映像をつくる手法)だからでしょうか。とりわけ、翁役の故・地井武男さんの演技が印象的です。

 “かぐや姫”も、原作にはない幼少時代の描写を付加することで、監督の意図する通り、感情移入できる存在になっていました。

 主題歌も余韻があって、作品の世界観にピッタリです。

 当然ながら、感性は人それぞれ。僕とは全く異なる感想を持つ方もいるでしょう。でも、観るかどうか迷っている方には、「とりあえず観ろ!」と薦めたい作品です。


『かぐや姫の物語』公式サイト
http://kaguyahime-monogatari.jp/


 今日16:00から限定発売の『宇宙戦艦ヤマト2199第七章BD・DVDバージョン上映会』(新宿ピカデリー12/8(日)20:30〜23:00)のチケットも辛うじて取れたし、今読んでいる小説『蜩の記』もなかなか良いし、充実した休日となりました。
posted by ふくちゃん at 17:47| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(14) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月15日

映画『清須会議』

 三谷幸喜さんの監督・脚本最新作『清須会議』を新宿ピカデリーにて。天気予報では寒いのは木曜日までということでしたが、今日も寒いですね。


Story
天正10年(1582年)。本能寺の変で、一代の英雄・織田信長(篠井英介)が明智光秀(浅野和之)に討たれた。跡を継ぐのは誰か・・・。後見に名乗りをあげたのは、筆頭家老・柴田勝家(役所広司)と後の豊臣秀吉・羽柴秀吉(大泉洋)であった。勝家は武勇に秀で聡明で勇敢な信長の三男・信孝(坂東巳之助)を、秀吉は信長の次男で大うつけ者と噂される信雄(妻夫木聡)を、それぞれ信長の後継者として推す。勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長の妹・お市様(鈴木京香)は、最愛の息子を死なせた秀吉への恨みから勝家に肩入れ。一方、秀吉は、軍師・黒田官兵衛(寺島進)の策で、信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方に付け、秀吉の妻・寧(中谷美紀)の内助の功もあり、家臣たちの心を掴んでいくのだった。そんな中、織田家の跡継ぎ問題と領地配分を議題に“清須会議”が開かれる。会議に出席したのは、勝家、秀吉に加え、勝家の盟友で参謀的存在の丹波長秀(小日向文世)、立場を曖昧にして強い方に付こうと画策する池田恒興(佐藤浩市)の4人。様々な駆け引きの中で繰り広げられる一進一退の頭脳戦。騙し騙され、取り巻く全ての人々の思惑が猛烈に絡み合っていく・・・。
(Movie Walkerより)


 三谷さんの“笑い”の演出は、“ナチュラル”というより“作り込んだもの”という感じが強く出るタイプだと思うのですが、ハマると非常に面白い。でも、ハマらないと作為的な印象だけが残って、自然には笑えないのです。

 僕にとって、今回の作品は後者でした。

 それに、笑いの中にも、もっと権謀術数に富んだ、丁々発止、スリリングな駆け引きを見せてほしかったですね。織田信長亡き後の日本の支配者が決まる大きなターニング・ポイントとなる会議だったわけですから・・・。

 いちばん良かったのは、先日TV放映された『ステキな金縛り』の更科六兵衛さん(西田敏行)が登場したシーンかな。これは楽しかったです。

『清須会議』公式サイト
http://www.kiyosukaigi.com/
posted by ふくちゃん at 21:19| 兵庫 ☀| Comment(2) | TrackBack(10) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月05日

DVD『宇宙戦艦ヤマト2199 第7章』

 やっと観ました。第7章のDVD。

 もちろん劇場での先行イベント上映既に繰り返し観たわけですが、DVDには劇場公開では「水準に達していない」としてカットされたところが、本来の形で収録されているので、いつもとは違う楽しみがありました。

 カットされてはいても、劇場での鑑賞上、特に展開に違和感は無かったのですが、こうして完全版となった第25話『終わりなき戦い』を改めて観ると、断然こちらの方が良いですね(TV放映版以上に修正・追加が行われているようです)。

 キャラクターの作画崩壊も修正されていましたし。

 第23話でヤマトがガミラスの民を守るために波動砲を撃つところ。最終26話の沖田艦長の最期のシーン。何度観てもウルウルします。

 “あまロス”ならぬ“ヤマロス”でしたが、新作劇場映画の公開がTV放映最終回で告知されました。

 “新作”としているのだから、かつてのオリジナル版劇場第1作のようなTV版の“総集編”ではあるまい・・・。年号は“2199”のままだから、“続編”でもないだろう。

 となると、外伝?

 いずれにしても来年が楽しみです。

 
posted by ふくちゃん at 19:17| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々の泡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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