Story
震災後の福島。次郎(松山ケンイチ)は、立ち入り禁止区域となった故郷に帰ってくる。ある“事件”の罪をかぶって東京に去り、もう二度と帰らないと決意していたはずの故郷が無人になった今だからこそ戻ってきたのだ。一方、腹違いの兄・総一(内田聖陽)は、妻・美佐(安藤サクラ)と一人娘、そして継母(次郎の母)・登美子(田中裕子)と故郷を離れ、狭い仮設住宅で暮らしている。総一は生きる気力を失い、美佐は今の生活から逃れるようにデリヘルで働いていた。登美子は、総一と美佐に遠慮しながら、血のつながらない家族との同居を続けている。現実を受け入れているように見えながら、心の中には地域の権力者だった亡夫の下で小作人のように働いていた過去と、夫に言われるがまま息子を出て行かせたことへの後悔があった。やがて、行方の知れなかった次郎の帰還を知った総一は、故郷に向かう。田畑を耕しながらここで人生をやり直したいという次郎に、総一は抱え込んでいた複雑な思いをぶつける。登美子に会うため、次郎は総一に連れられ、仮設住宅へ。何事もなかったかのように、米の生育の話をする登美子と次郎。次郎は、認知症気味の登美子を故郷に連れ帰り、2人で暮らすことに決める。そして、2人を送り届けた総一も、別の土地で生き直すことを模索し始める・・・。
(Movie Walkerより改変)
声高に何かを主張することはなく、淡々と進んでいきます。それだけに、ところどころハッとするセリフや巧まざるユーモアが漂うシーンもあるのですが、全体としては心を揺り動かされることはそんなにありませんでした。
でも、“故郷”って不思議なものです。たまたまそこで生まれ育ったというだけなのに、なぜこんなに吸引力があるのでしょう(いや、なかには、故郷には絶対戻りたくないという人もいるのでしょうが)。
そこに還ることができない・・・というのは辛いです。
僕も今はほとんど新宿ですが、関西から離れたくないです。
『家路』公式サイト
http://www.bitters.co.jp/ieji/