2014年09月20日

映画『柘榴坂の仇討』

 15日、17日、本日20日と久々にハイペースで映画鑑賞です。今日は『柘榴坂の仇討』。歴史・時代小説も好きで良く読みますが、浅田次郎さんの作品は読んだことがなく、浅田文学が原作の映画も初めてです。元は短編だそうです。


Story
安政7年3月3日、江戸城桜田門外で大老の井伊直弼(中村吉右衛門)が襲撃・殺害される。近習として警護に当たりながら、主君を守り切れなかった彦根藩士・志村金吾(中井貴一)。両親は自害し、切腹も許されず、仇を討てとの藩命を受ける。時は流れ、明治の世になり、江戸幕府や彦根藩が消滅しても、身も心も武士としての矜持を保ったまま、ただひたすらに愛する主君の敵(かたき)を探し続けるだけの日々を送る金吾。そんな夫を働いて支えるセツ(広末涼子)。一方、水戸浪士・佐橋十兵衛(阿部寛)は井伊直弼殺害後、名前を直吉を変えて俥引きに身をやつし、孤独の中に生きていた。金吾は旧友の伝手でついに襲撃者の中の唯一の存命者・十兵衛と出会う。だが、まさにその日、明治6年2月7日、仇討禁止令が布告されていたのだった・・・。
(Movie Walkerより改変)


 井伊直弼は実は名君であり、先見の明があったのだという説もあり、この作品の路線もそうですが(公式サイトにも「本当は“良い”直弼」というコーナーがある)、個人的には大勢の人間を弾圧・獄死させた安政の大獄の印象が強くて、悪人のイメージがあります。

 なので、いかに名優・中村吉右衛門さんが演じたとはいえ、金吾の敬愛ぶりを納得するには描写が足りません。でも、そこを詳しく描くと、映画としては無駄に長くなりそうです。

 また、直吉こと十兵衛もなぜ他の多くの水戸浪士らと同じように、自訴したり自刃したりせず、13年間も生きてきたのか(仇を討たれることを待ち続けたわけですが)、疑問に思わないでもありません。

 そして『イン・ザ・ヒーロー』同様、展開と結末は誰にでも予想が付きます。でも、こちらの場合は、素直に感動できました。

 仇討禁止令に愕然とする十兵衛。夫の死を覚悟するセツ。セリフは無くても、気持ちが伝わります。
 
 金吾が十兵衛を見つけて言葉を交わし、十兵衛の人力車に乗るところから、ラストシーンまでの何とも言えない、緊張感と切なさ。そして、最後にやってくる幸せな気持ち。

 良い作品だったと思います。劇場が空いていたのが残念。時代劇はやはり苦しい時代なんですかね〜。『蜩の記』も観に行くつもりです。


『柘榴坂の仇討』公式サイト
http://www.zakurozaka.com/
posted by ふくちゃん at 21:16| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(5) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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