しかし、公開10日で早くも小さなシアター8(157席)ですか。ひょっとして当初からこの程度?先日の『柘榴坂の仇討』といい、人気俳優を起用しても時代劇は厳しいですね。例外は『るろ剣』だけか。
Story
些細なことからやむを得ず刃傷沙汰を起こしてしまったものの、家老・中根兵右衛門(串田和美)の温情により切腹を免れた檀野庄三郎(岡田准一)は、山の上の村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷(役所広司)の監視役を命じられる。秋谷は藩主の側室との不義密通および小姓を斬り捨てた嫌疑により、事件から10年後、今から3年後の切腹とそれまでの間に藩の歴史である藩主・三浦家の家譜の編纂・完成を命じられていたのだ。庄三郎の役目は、家譜編纂を通じて藩の秘事を知る秋谷が不義密通事件を家譜にどう書くか監視・報告し、切腹間近の秋谷が逃亡のそぶりを見せた場合には妻子ともども始末するというものだった。はじめは秋谷のことを懐疑的に見る庄三郎だったが、編纂途中の三浦家譜と『蜩ノ記』と名づけられた秋谷の日記には、前藩主の言葉に忠実に事実を事実のまま書き留め、一日一日を誠実に大切にして生きる彼の姿があり、感銘を受ける。そして、秋谷やその妻・織江(原田美枝子)、娘・薫(堀北真希)、息子・郁太郎(吉田晴登)らとともに暮らす中で、秋谷の無実を確信し、薫との間には恋が芽生えていた。やがて庄三郎は不義密通事件の真相に辿り着き、事件の謎を解く文書を入手するが、そこには藩を揺るがすようなことが記されていた。庄三郎は秋谷の命を救おうとするが・・・。
(Movie Walkerより改変)
前半はなんかぎこちないというか、流れが良くない感じでしたが、秋谷が住む村の農民たちと藩の役人の間に不穏な空気が流れ、遂には息子・郁太郎が親友の少年(健気で明るい素晴らしい子)を失うたあたりからは良かったです。
権勢を奮う家老に立ち向かう郁太郎も、それに助勢する庄三郎も、2人を取り戻しにやってくる秋谷も・・・義を見てせざるは勇無きなり・・・頻繁に登場するこの言葉を体現していて感動的です。
秋谷に寄せる妻・娘・息子、それぞれの想いにも、感じ入るものがあります。こんな家族、今の日本にはもういないのでは(笑)。時代劇だから見せられるファンタジーです(褒めてる)。
原作の家老は良くも悪くももっと奥深い存在として描かれています。そこが残念。
『蜩ノ記』公式サイト
http://higurashinoki.jp/