地球の寿命が近づき、人類の滅亡まで時間がない近未来。新天地を探す旅に出るミッションを与えられた宇宙飛行士・・・ぐらいの事前知識がなかったのですが、一体どんなストーリーになるのだろう。どんな結末を用意しているのだろう、と興味があって観てきました。
Story
劇的な環境変化によって、寿命が尽きかけている未来の地球。新たに発見された宇宙のワームホールを利用し、居住可能な新たな惑星を探すという、生きて帰れるかわからない重大な使命を担う壮大な旅に、まだ幼い子供を持つ元エンジニアで宇宙飛行士の農夫クーパー(マシュー・マコノヒー)と、数少ないクルーが選ばれる。人類の限界を超え、不可能にも思える史上最大のミッションのため、前人未到の未開の地へ旅立った一行は、自らの使命を全うし、愛する家族の元へと生還することができるのか・・・。
(Movie Walkerより)
60億人を超えた人類の文明は食糧戦争(それが軍事的なものであったのかどうかは分かりません)を経て、荒廃。
アメリカもおそらく他の国々も、もはや軍備を持たず、高度な産業やテクノロジーも失いかけ、自然環境は悪化し、常時砂埃が舞い散り、時にはそれが砂嵐になる。
人々は皆、農業に回帰にするも、疫病により絶滅する品種が後を絶たない。やがては多くの農産物が絶滅し、食料と緑と酸素を失った人類は死に絶える・・・。
そんな未来の世界が無駄に説明的な描写もなく、巧みに導入部で描かれます。
なぜかアポロの月面着陸は実際には起こらなかったこととして、教科書からも消えています。NASAも閉鎖。
冒頭の自分たちの親世代の世の中を振り返る老人達のコメントVTR。それを観て、なんとか世界は救われたという結末が示されているのかなと思いきや、そんな単純なものではありませんでした。最後の方で“へぇ〜”となります。
クーパーの娘が「自分の部屋には幽霊がいる」という一見オカルトチックな騒動にも、実は・・・。
というように様々な伏線の科学的回収が見事。納得させるだけでなく、感動させてくれます。
そして、全く先の読めない展開と意外な結末。169分が全く長く感じませんでした〜。
相対性理論、ワームホール、4次元、5次元、量子宇宙論、事象の地平線・・・ドンパチだけではないSFに日頃から親しんでいないと、拒否反応が出るかもしれません。
かく言う僕も、ハードSFを読むことはあまりなく、最新の宇宙論・宇宙物理学を一般人向けに説明した書籍すらも全く読んだことはなく(興味はありますが)、言葉として知っているだけで、理解しているわけではないのですが・・・。
人間ドラマもしっかり描かれています。そして、気宇壮大な親子の愛の物語でもあります。
『インターステラー』公式サイ
http://wwws.warnerbros.co.jp/interstellar/