Story
月子(宮崎あおい)と陽子(大竹しのぶ)は、大阪の下町で母ひとり子ひとり仲良く暮らしてきた。ある日の深夜、陽子が酔っ払って若い金髪の男・研二(桐谷健太)を連れて帰ってくる。何の説明もないまま玄関で眠りこける2人。月子は陽子を引きずり、居間の炬燵に寝かせ、玄関で動かない研二には毛布をかけてやる。翌朝、陽子は「おかあさん、この人と結婚することにしたから」と宣言。突然のことに戸惑い、反発した月子は、とっさに家を飛び出し、隣の大家・サク(絵沢萌子)のもとへ向かった。月子が生まれる前に亡くなった父・薫を、陽子はずっと「最初で最後の人」と言っていたのに。研二は30歳。ヘラヘラしている上に、元板前だというが、今は働いていないらしい。納得がいかない、というよりも母の行動が理解できない月子は、サクの家に居座り続ける。「月ちゃんがいない家に同居はできない」という研二は、庭の縁側の下で寝泊りする。陽子に対しても、研二に対しても頑なに心を閉ざし続ける月子に、陽子の勤め先・村上医院の村上先生(國村隼)は、これまで誰にも話すことのなかった陽子との秘密を告白、月子を驚愕させる。それを聞いて、遂に渋々ではあるが陽子の結婚を了承した月子。ところがある朝、研二と共に白無垢の衣裳合わせに出かける間際、陽子が倒れてしまう。緊急搬送されるが、診断結果は軽い貧血。ホッとする月子であったが、次の瞬間、医師から受け止めがたい現実を突き付けられる。母の結婚への反発だけでなく、過去のトラウマで電車に乗ることができなくなってために、これまで衣裳合わせへの同行を拒んでいた月子。反発もトラウマも超えて、退院した陽子と電車に乗って、由緒ある神社の静かな衣裳部屋へ。白無垢に身を包んだ陽子が三つ指をついて月子の前に座る。涙をこらえ、ゆっくりと絞り出すように、これまで決して話すことのなかった本音を、陽子が月子に語り始めた・・・。
(Movie Walkerより改変)
先日の『トイレット』に劣らず、これも良かったです。今年の1位を争うなぁ。
母親を愛するからこそ、怒りや反発、甘えや嫉妬などの負の感情も大きくなってしまう月子。娘を愛する母親であると同時に、自分の人生を生き抜きたいと願うひとりの女性でもある陽子。2人のぶつかり合いや互いへの想い。
小さなエピソードがひとつひとつ丁寧に紡がれて、観終わった後は、暖かい気持ちになります。家族を含め、今は普通に存在していても、いつかは消えて無くなる、そんな何気ない日常が、愛おしく、かけがえのないものに思えます。
大竹さんと宮崎さんが、もう本当に、とてもチャーミング。桐谷さん、絵沢さん、國村さんも、ええ味、出してます。湿っぽくないエンディングもgood!
京阪電車が登場しますが、公式サイトによると、ロケ現場は牧野駅なんですね。
『オカンの嫁入り』公式サイト
http://www.okannoyomeiri.jp/