Story
テヘランからほど近いカスピ海沿岸のリゾート地。セピデーは大学時代の友人たちに声を掛け、3日間のヴァカンスを過ごすために訪れる。メンバーはドイツ人女性との結婚に破れドイツから一時帰郷中のアーマド、その妹ナジーと夫マヌチュール、セピデーの友人ショーレ、その夫ペイマンと子供たち、そして、セピデーの子供が通う保育園の先生エリ。セピデーはこの旅行を、エリとアーマドの出会いの場にしようと計画していた。セピデー以外とは初対面のエリだったが、皆が彼女の美しさと穏やかさに触れ、温かく迎え入れた。セピデーが予約していたヴィラは手違いで1日しか空いておらず、海辺の朽ちかけた別荘を利用することに。別荘は何年も使われておらず、修繕と掃除が必要だったが、皆は休暇を楽しむ。しかし、エリだけは、なぜかよそよそしい態度を取っていた。彼女が携帯で母親と会話するときの態度や、着信があっても電話に出ない様子に、アーマドは違和感を覚える。2日目の朝、エリは1泊の予定で家を出てきたので帰りたいとセピデーに申し出る。アーマドとエリの関係が深まっていないことに焦ったセピデーは、強引にエリを引き止める。エリは思い詰めた様子で、海を見つめるのだった。男たちがビーチバレーに興じ、女たちが食事の支度をしていたとき、ショーレとペイマンの子アラーシュが海で溺れてしまう。アラーシュは助けられ、九死に一生を得るが、エリが消えていた。海難救助隊が出動しても、エリの行方はわからない。彼女の痕跡はどこにも残っておらず、彼女の正式な名前すら誰も知らなかった。やがて、エリの兄を名乗る男と連絡が取れるが、セピデーによると彼女には兄弟はいないということだった・・・。
(Movie Walkerより改変)
エリの屈託の理由は何なのか?そして、エリが消えたのは、彼女もまた溺れたからなのか?それとも、皆に黙って帰ってしまったのか?
それらの謎で、物語を最後まで引っ張っていくので、観ている間、退屈はしません。兄となる謎の男も登場しますし。エリが電話で母親に語った言葉も気になりますし。
ただ、観終わってみると、実は曖昧な結末で、中途半端な思いが残ります。ネタバレになるので、具体的には書けませんが・・・。
この映画で監督が描きたかったことは、何なのか?頭の中が?でいっぱいになってしまいました。エリが消えた後、人々のエゴが徐々に剥き出しになり、衝突を繰り返すようになる様は見応えありますけど。
『彼女が消えた浜辺』公式サイト
http://www.hamabe-movie.jp/