自分の計画では、公開までに原作


そんなわけで、もう1冊を読み終えてから観るか、そんなことに構わず初日から観るか、ほとんどどうでも良いようなことで少し迷いました。
しかし、金曜日22時すぎに近所の映画館に電話をかけて、整理券を予約(その映画館の会員なので、前日までなら予約で比較的早い番号の整理券が取れるのです)。結局、初日の昨日、そして今日とまたまた2日連続で観てまいりました

夏休み、そしてアニメということで家族連れのお客さんが多数。原作は決して子供向けではないし、映画の方も子供には難解で退屈なだけでは・・・きっと途中で飽きてしまって、最後まで行儀よく観ていられないのでは・・・と恐れていましたが、心配したほどではありませんでした

子供は子供なりに何かを感じ、惹き付けられるものがあるらしく、ほとんどの子は静かに集中して観ているようでした。昨日僕の隣に座っていた男の子は、身を乗り出して観ていましたし。むしろ、頭でモノを考えがちな大人にこそ、難しい映画かもしれません。
でも、今日は上映中に度々トイレ


なにせ補助席を入れても70席ぐらいしかない小さな劇場(でも座席・音響など設備はとても良い)なので、周りの音や動きがよくわかってしまうのです。
作品によっては「大人限定デー」を作って欲しいなぁ・・・。
さて、肝心の中身ですが、『ゲド戦記』というタイトル、「ファンタジー」「魔法」「竜」というキーワードからスペクタクルな映画を想像すると肩透かしを喰らいます

公開前に、ある評論家の「絵が雑」という評を目にしました。が、これは的外れ

さらに、絵ということでいうと、背景美術が本当に素晴らしい。一枚の美しい絵画を観ているようです

それから、スマステ5の『月イチゴロー・イナガキベスト5』では、稲垣君が「ちょっと理屈っぽかった。言葉じゃなく伝えられたらよかったのに」と言ってましたが、おっしゃる通りそういう一面はあります。しかし、これも原作のテイストを考えると、これで良かったのだと思います。原作もセリフ、しかも長ゼリフが多いですし、「言葉」が重要なモチーフなので。
声優陣は、主要人物では、ハイタカ(ゲド):菅原文太、アレン(レバンネン):岡田准一、テナー:風吹ジュン、クモ:田中裕子、ウサギ:香川照之・・・そしてテルー(テハヌー)に新人の手嶌葵。チョイ役では、国王(アレンの父):小林薫、王妃(アレンの母):夏川結衣、生地屋の女主人:倍賞美津子、ハジア(麻薬のようなもの)売り:内藤剛志・・・という「豪華」キャスト。
しかし、大作アニメって、本職の声優ではなく、俳優を主要キャストに据えることが多いんですけど、本当にそれでいいんですかね?有名声優のおなじみの声ではなく、新鮮さを演出したいという意図もあるのかも知れませんが、僕にはアニメ業界自らが「声優より俳優の方が上」と認めているようにも思えます(考えすぎ?)。話題作においてこそ、有名・無名を問わず優秀な声優に活躍の場を与えるべきでは

そもそも俳優が声優として優れているとは限りませんからね。『ゲド戦記』でも田中裕子さんは素晴らしい演技で、そのほかの皆さんもなかなか良かったと思いますが、棒読みのように感じられたり、しっくりこなかったりするところが何ヵ所かありました(俳優が声を担当する映画を観ると必ず感じるのですが)。
監督の宮崎吾朗氏は僕と同い年。高校生の頃に原作と出会い、当時は第1巻『影とのたたかい』に惹かれたものの、今回映画を作るにあたって再読したところ、第3巻『さいはての島へ』が最も面白く感じられ、これを映画のメインストーリーに選ばれたそうです。
一方、僕が原作を読み始めたのは、大学生の頃。やはり当時は第1巻が最も面白く、話が進むほど難解になっていくように思いました。しかし、今回再読してみたら、同じく第3巻が最も印象的でした(まだあと1冊、後半部を残しているけど)。不思議です。なにか世代的・年齢的なものでしょうか?
そういうこともあって、自分が原作のファンであることはもちろん、宮崎吾朗氏がこの長く深い物語をどのように映画にまとめるのか、非常に興味があったわけです。
正直、1回目はピン

でも、2回目は良い方向に印象が変わりました

ところで、この映画に限らず、ネット上の映画評って辛口が多いですね

最後に。
この映画は音楽が素晴らしい

しかし、長いな。文章・・・。
ゲド戦記:公式サイト
http://www.ghibli.jp/ged/
「テルーの唄」が流れます。
批判することが批評だと勘違いしているブロガーが多い中、ご自身の感性の命ずるままにご意見を書かれていることが嬉しくて押しかけトラバさせていただきました。
≫大勢の人間が時間と労力と情熱を注いで作ったものを、素人である僕が簡単にバッサリ切って捨てることには抵抗があります。
ほんとうにその通りだと思います。ご意見、頭が下がります。
また、俳優及びタレントを必要性を感じないのに起用する動きに関しての文句ブログもトラバさせていただきました。
ということで、これからもよろしくおねがいします。
押しかけトラバはこちらが先ですのに、ご丁寧にありがとうございます。
過分にお褒め頂いて恐縮です。
よろ川さんは、3つもブログされているのですね。
凄いですね!
こちらこそ宜しくお願いいたします。
どうも、ジブリの作品は期待度が高すぎるので、同時に酷評マニアも増えるようですね。くだらない評論家になるよりは、自分の目で見て判断をしてほしいものだと思います。
それにしても、お子さんが理解されているというのは、すごいですね。先週、ブレイブストーリーにウチも子供を連れて行ったんですが、よくわかっていない感じだったので・・。ただブレイブに比べると、心に訴えるものは大きいですから、いつか見せたいなと思います。
また、よらせてもらいますね。
ゲド戦記よかったです。
酷評されてる人は映画の内容を評価するよりほとんどジブリ作品として、父親と比べて、とかが多いですね。
作品がどうやって仕上がっても評価が賛否両論でしかも辛口が多いのは後継者の宿命なのでしょうか。
私は見た後、素直に感動したし考えさせられました^^
突っ込みどころもありますが、それと同時に新しいジブリを発見できます。
声優さんとかには特にこだわりがないですね^^聞き取りやすく、キャラと合ってればいいのかも(笑)
もう一度あのテルーのアカペラを聴きたい。
原作も原作で深いですね。
本当にそうですね。
素晴らしい声優さんはたくさんいますからね!
>ガスコインさん。
大人の「理解」とはまた違うのでしょうけど・・・。
ブレイブ・ストーリーも原作はなかなか面白かったですけどね。映画は観ていませんが、どうもあの絵柄がピンと来ないのです(笑)。
>mayさん。
「ジブリ作品はこうあるべきだ!」みたいな固定観念に縛られるのは損だな・・・と僕も思います。
声のキャスト、確かに大作アニメには話題性を狙って俳優さんを使うのが多いですよね。
イメージにぴったりなら良いのですが、違和感があると興醒めです。
無名の声優さんとか、広く目を向けてくれると良いですよね。
映画は難しいというより説明不足・描写不足・時間不足のところがあったように思います。
原作は最後の方は難しいです・・・。
僕も見ましたよ!
音源で聴いた時は良くても、生唄を聴くとあまりに下手でがっかり・・・ということも多いんですけど、そういうこもなく。
緊張のせいか、バックのオケより少し走ってしまったところもあって、ご本人も「失敗した」という表情を垣間見せましたが・・・。それもご愛嬌♪。