2011年08月09日

映画『モールス』

 2010年夏に劇場で鑑賞したスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド版・リメイク。興味は無かったのですが、作家の沢木耕太郎さんが『ぼくのエリ』よりも“『モールス』の方に強く心を動かされた”と語っていたので、観てみる気になりました。


Story
雪に閉ざされたニューメキシコ州の田舎町ロスアラモス。12歳のオーウェンは学校でいじめられていたが、2人きりで暮らす母親には相談できずにいた。唯一の楽しみは、アパートの自分の部屋から望遠鏡で他の部屋を覗き見ること。ある夜、彼は雪の中を裸足で歩く少女が、初老の男と2人、隣の部屋にそっと越してくる様子を目にする。雪の夜、オーウェンがアパートに囲まれた中庭で1人遊んでいると、少女が現れる。話しかけるオーウェンに対して、彼女は「友達にはなれない」と突き放すが、夜の中庭で何度か会ううちにやがて打ち解けていく。彼女の名前はアビー。12歳くらいだが自分の誕生日は知らないという。オーウェンは、アビーの部屋から聞こえてくる荒々しいどなり声に心を痛めていたが、ある日モールス信号のメモをアビーに渡し、壁越しに会話を始める。やがて、自分を心配してくれたオーウェンがいじめられていることを察したアビーは「やり返すのよ。私が守ってあげるから」と言う。アビーの言葉通り、いじめっ子に仕返ししたオーウェンは興奮し、秘密の部屋でアビーに血の誓いを交わそうと語り、自分の指をナイフで切りつける。すると血を見たアビーの様子が急変し、床に滴り落ちた血を舐め、変わり果てた表情で「消えろ」と言って走り去る・・・。一方、町ではアビーが越してきて間もなく、青年が生きたまま首を切り裂かれ、血を全て抜き取られるという事件が起こる。ある夜、容疑者と思われる男が車の事故で病院に搬送されたが、彼は頭から硫酸を被っていて刑事と話もできず、身元も分からない。そして病室から転落死してしまう。だが、血液が抜かれた別の男性の死体が湖から発見されたことで捜査は進展。さらに、オーウェンやアビーの近隣に住む女性が首を噛み切られて病院に搬送された後、太陽光が病室に差し込んだ途端、発火して死亡する。転落死した男の身内を名乗って病院にアビーが来ていたことを掴んだ刑事がアパートに乗り込み、アビーの住居の前で拳銃を構えるが、家の中からは応答はない。ドアの向こうで息を殺していたのはオーウェンだった・・・。
(Movie Walkerより改変)


 舞台と登場人物がスウェーデンからアメリカに変わっても、基本的には全てそのまま。だから、作品に対する僕の印象や感想も、『ぼくのエリ 200歳の少女』のままです(当時の記事はコチラ)。

 ただ、沢木さんがおっしゃる通り、『ぼくのエリ』以上に“少年の少女に対する愛が永遠に報われないものであることが鮮やかに描かれていた”のは確か。

 オーウェンは、アビーをこの町に連れて来た初老の男と同じ運命を辿るのかも知れない。2人ともそのことを分かっている。それでも2人は互いを想い、一緒にいることを選ぶ。純愛かもしれないけど、「他に居場所がない2人」ということの裏返しでもある。順当に行けば、オーウェンだけが年を取り続け、先にこの世を去ることになってしまう。あるいは、初老の男と同じように、アビーを守る生活に疲れてしまう時が来てしまうかも知れない。

 一方のアビーは別の男性を見つけるかもしれないし、1人で孤独なまま生きていくことになるかも知れない。

 残酷で切ない話です。

 でも正直、ストーリー的には、いわば2回目ということで、ちょっと退屈してしまいました。それに『ぼくのエリ』の方が、情感があったように思います。それにしても、2人はモールス信号で何を話していたのかな?


『モールス』公式サイト
http://morse-movie.com/


posted by ふくちゃん at 20:59| 兵庫 ☁| Comment(2) | TrackBack(11) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
怖い映画ですね…
一人では、私は見れなそうな気がします…

『レナードの朝』という作品、古いですが、
個人的にはオススメします。

今日は、例のゴマ油で野菜炒めを作りました。
いつものより、なんとなく、健康になった気が
してます(笑)
Posted by 通りすがりのOL at 2011年08月17日 23:57
>通りすがりのOLさん。
『レナードの朝』、聞いたことあります。ストーリーをネットで検索してみましたが、良さそうですね。ちょっと『アルジャーノンに花束を』(SF小説)を連想しました。観てみたいです。
Posted by ふくちゃん at 2011年08月18日 19:59
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