Story
とある刑務所の204房。テキ屋の南(勝村政信)。客の取り合いで同僚と喧嘩、傷害罪で逮捕されたホストの相田(落合モトキ)。親しくなったスナックのママから無理やり金を毟り取ろうとした男をぶちのめした元力士の覆面レスラー・チャンコ(ぎたろー)。周囲はヤクザの大親分と思っているが、実は泥棒の八戸(麿赤兒)。4人に新しい仲間が加わった。傷害罪で懲役3年のチンピラ・栗原健太、通称・新入り(永岡佑)。世間から隔離された小さな雑居房で暮らす彼らにとって、食事は特別な時間だ。だが、刑務所めし初対面の新入りにとって麦飯、サバ塩焼き、マカロニサラダ、味付けぜんまい、オクラと油あげの味噌汁、お茶というメニューは期待はずれ。「こんな犬の食いもん喰えるかよ」と、ぼそりとつぶやいたその言葉に、待ってましたとばかりに、4人が新入りのめしを平らげる。唖然とする新入りだったが、翌日には空腹を我慢しきれずに刑務所めしをがっついていた。だが、毎日メニューに変化はあるものの、刑務所めしはやっぱり地味。年に一度、正月のおせち料理だけが胸躍るめしだった。そこで204房では年末が近くなると、おせち料理争奪戦が繰り広げられる。今までの人生でいちばん旨いと思った食いモノの話を各々が語り、聞き手が喉をゴクリと鳴らしたら1点獲得。最も点数の多い人が、皆から1品ずつおせち料理をもらえるというゲームだ。トップバッターは相田。刑事に追われながら行き着いた実家。田舎の母の料理は懐かしさと優しさに溢れている。何よりも旨いのが、ホカホカご飯の上にバターと産みたての卵、もぎたてのトウモロコシの実を乗せて、醤油をまわしかけた“黄金めし”。南はゴクリと唾を飲み、チャンコは泣き、それぞれがお袋の味を回想するのだった。「めしにいい想い出なんかねえから、話すことねぇよ」と言っていた新入りにも、想い出の味があり、想い出の人がいた。幼い自分を捨てて出て行った母のホットケーキ、愛しあった女性が作ってくれたラーメン。旨い料理を語れば語るほど、愛したあの人を思い出す。果たして、おせち争奪戦の優勝は誰の手に・・・。
(Movie Walkerより改変)
俳優陣の演技は生き生き楽しそうで、観ているこちらも楽しいです。麿赤兒さんは普段よりナチュラルながらも相変わらずの怪演。勝村政信さんもいいし、ぎたろーさん(って初めて知りました)のハジケっぷりも爆笑モノです。
肝心の“めし”のシーンは、『かもめ食堂』や『めがね』に比べると、魅力不足かなぁ。。。でも、“新入り”こと健太の恋人・しおり(木村文乃) − 中華料理屋でアルバイトをしながら、ラーメン屋開業を目標に日々様々なラーメンを健太に試食させていた - が、逃走しようとする健太のリクエストに応えて作ったラーメンはとても美味しそうでした。真似してみたい。
『極道めし』公式サイト
http://gokumeshi-movie.com/