Story
元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター(ユアン・マクレガー)。出版社が用意した条件は、米国で講演中のラングが滞在する島を今夜中に訪れ、1ヵ月以内に原稿を仕上げるという厳しいものながら、25万ドルという破格の報酬だった。政治に興味がなく、前任者はフェリーから謎の転落死、その後任ということもあり、彼は気乗りがしなかったが、代理人に説得されて出向いた出版元のラインハルト社の面接では、ニューヨーク支部のマドックス(ジェームズ・ベルーシ)、ラングの弁護士クロール(ティモシー・ハットン)などの目の前で、率直に自分の想いを話した結果、かえって気に入られてしまい、仕事を引き受ける羽目になる。出発前のヒースロー空港の待合室では、ラングがイスラム過激派のテロ容疑者に対する不当な拷問に加担した疑いがあるというニュース速報が流れていた。飛行機の中で読んだ新聞にもラングの記事。やがて到着した飛行機を降りて、ラングが滞在する東海岸の島へ向かうフェリーに乗り継ぐ。そのフェリーはまさに前任者が泥酔して転落したフェリーだった。ラングの邸宅には厳重な警備が敷かれ、中へ入るや否や、女性の怒号が耳に飛び込んでくる。ラングの妻ルース(オリヴィア・ウィリアムズ)は機嫌が悪いのだとラングの秘書アメリア(キム・キャトラル)は説明する。彼女は守秘契約書にサインするように求め、自叙伝の草稿の屋外への持出しは厳禁だと語る。だが、ラングにインタビューしながら原稿を書き進めるうちに、ラングの経歴に違和感を覚えた彼は、その違和感の正体と前任者の不可解な死を追いかけることで、国家を揺るがす恐ろしい秘密に触れてしまう・・・。
(Movie Walkerより改変)
確かになかなか面白かった。よく練られたサスペンスだった・・・言いたいところですが。ユアン・マクレガー演ずる自称“ゴースト”氏が普通にネット検索で掴んだ情報に、他の人間がこれまで誰も気付いていなかったというのは、おかしいと思います(笑)。
それに、前任者が車のナビに残した情報は、前任者が死んだ時点で捜査されていてもおかしくないですが。もし、幸いにも捜査されずに済んでいたとしたら、真相を秘すためにはナビの情報を削除しておくべきでは?あるいは、ナビを取り替えても良いのでは?
さらに、前任者の遺体について、地元の人が海流の関係であんなところに流れ着くはずがないと語りますが、そのことに警察が気付かなかったのは不自然では?
さらにさらに、前任者が初稿の冒頭に忍ばせた、いわば暗号メッセージも手法としては平々凡々。それに忍ばせる必要もなく、堂々と告発すれば良いような・・・。
しかし、それでも「やっぱりそうだったのか」と思わせた後、「実はそうだったのか」という最後の展開は、少し怖いです。さらにラスト・シーンにはゾッとしました。“ゴースト”氏の運命は、この仕事を引き受けた瞬間に決まっていたような気がします。
なんというか、細かいリアリティがどうのこうのというよりも、見せ方の上手い映画だなと思いました。
『ゴーストライター』公式サイト
http://ghost-writer.jp/