2012年02月05日

映画『サラの鍵』

 ちょうど『ALWAYS 三丁目の夕日’64』を観た頃に悪化した風邪は1月いっぱい治らず、劇場には行けず仕舞い。

 2月に入ってようやく治まってきたので、「ヴェルディヴ事件」を題材にしたフランス映画『サラの鍵』をシネリーブル神戸にて鑑賞。

 「ヴェルディヴ事件」とは、1942年、ナチス・ドイツ占領下のフランスで、フランス警察自らが積極的に動いて、パリ在住ユダヤ人13,000人以上を一斉検挙し、ヴェロドローム・ディヴェール(ヴェルディヴ)屋内競輪場に強制収容した事件だそうです。着の身着のまま、水も食料もなくトイレも使えない劣悪な環境にしばらく留め置かれた後、フランス国内の一時収容所で家族離れ離れにされ、最終的にはアウシュビッツに送られたとのこと。1995年、フランスのシラク大統領が正式に謝罪したそうです。


Story
夫・娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、45歳で待望の第2子妊娠をはたす。が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の両親から譲り受けて住むことになったアパートは、1942年、ナチス占領下のパリで起こったユダヤ人迫害事件(ヴェルディヴ事件)により強制退去させられたユダヤ人家族が住んでいたものを、当時の夫の祖父母が取得したものだったのだ。さらに、その一家の長女で10歳の少女サラがアウシュビッツに送られる前に一時収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝、サラは弟をアパートの納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて・・・。果たして、サラは弟を助けることができたのか?2人は今も生きているのか?事件を紐解きがら、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。すべてが明かされた時、サラの痛切な悲しみを全身で受け止めた彼女が見出した一筋の光とは・・・?
(Movie Walkerより改変)


 ネタバレありです。

 1942年のその事件だけで物語を作るのではなく、時代を潜り抜けたサラの物語と現代を生きる女性ジャーナリスト・ジュリアの物語を並行して描き、やがて2人の女性の人生が時空を超えて繋がっていく・・・この構成が素晴らしいです。これぞ、フィクションの力。

 ホロコーストと人間の愚かさを描いた歴史映画であるだけでなく、家族を描いた映画になっている点がとても良いです。登場する家族は、いずれも必ずしも幸せとは言えない。それなのに「家族って、悪くないよな」と思ってしまうのです。

 生まれた娘にサラと名づけたジュリアも、本当の母親の姿と自らのルーツを知ったサラの息子も、サラの深い哀しみを引き受けることで(引き受けることはできないかもしれないけど)変わっていくのでしょう。

 沁みます。辛いけど、温かい映画です。


『サラの鍵』公式サイト
http://www.sara.gaga.ne.jp/


posted by ふくちゃん at 20:37| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(11) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

サラの鍵 #81
Excerpt: ’10年、フランス 原題:Elle s’appelait Sarah 監督:ジル・パケ=ブレネール 原作:タチアナ・ド・ロネ 脚本:ジル・パケ=ブレネール、セルジュ・ジョンクール キャスト..
Weblog: レザボアCATs
Tracked: 2012-02-05 22:03

サラの鍵(2010)◎ELLE S'APPELAIT SARAH
Excerpt:  ただ、伝えたい。決してあなたを忘れなはしないと。 評価:+8点=88点 ジュリアとともに、私もサラの足跡を旅した気分。ジャーナリストでもないし、サラとは無縁だけど、こうして作品と出会ったことで何..
Weblog: 銅版画制作の日々
Tracked: 2012-02-05 22:07

サラの鍵
Excerpt: タチアナ・ド・ロネ著の同名小説を映画化した作品です。 好きな女優のクリスティン・スコット・トーマスが主演だったので気になっていました。 第二次世界大戦中に全てを奪われてしまった少女サラの人生が痛々しか..
Weblog: とりあえず、コメントです
Tracked: 2012-02-05 23:50

『サラの鍵』:第18回大阪ヨーロッパ映画祭
Excerpt: 素晴らしくて見応えのある作品でした。
Weblog: だらだら無気力ブログ!
Tracked: 2012-02-06 00:45

サラの鍵
Excerpt: ★★★★  パリ住まいのアメリカ人女性記者ジュリアは、40代半ばで妊娠するのだが、喜ぶと思っていた夫の反対に失望する。そんなときにある取材がもとになって、1942年に起ったナチによるユダヤ人迫害事件に..
Weblog: ケントのたそがれ劇場
Tracked: 2012-02-06 12:24

【TIFF 2010】『サラの鍵』 (2010) / フランス
Excerpt: 原題:Sarah's Key / ELLE S'APPELAIT SARAH 監督:ジル・パケ=ブレネール 原作:タチアナ・ド・ロネ 出演:クリスティン・スコット・トーマス ..
Weblog: Nice One!! @goo
Tracked: 2012-02-16 07:24

『サラの鍵』試写 (2回目鑑賞)
Excerpt: 昨年、第23回東京国際映画祭にて鑑賞した時の感動が忘れられずに、今もずーっと心に残る作品。 ようやく今週末、12月17日より一般公開となります。 まるで自分のことのように嬉しくて仕方がないのです..
Weblog: Nice One!! @goo
Tracked: 2012-02-16 07:24

現在、過去、真実 〜『サラの鍵』
Excerpt:  ELLE S'APPELAIT SARAH  1942年7月、パリ。フランス警察が何千ものユダヤ人を逮捕し、屋内競技 場に収容した日。少女サラは弟ミシェルを納戸に..
Weblog: 真紅のthinkingdays
Tracked: 2012-02-16 14:55

サラの鍵
Excerpt: ★★★★★4.5“二人の女性の人生が時代を越えてつながっていく運命の不思議さに魅せられます” 映画は現代を生きるジュリアと、ヴェル・ディブ事件やその後のサラが交互に描かれています。 ベルトランはジュリ..
Weblog: 映画とライトノベルな日常自販機
Tracked: 2012-03-29 11:32

映画『サラの鍵』を観て
Excerpt: 11-86.サラの鍵■原題:Elle s'appelait Sarah(英題:Sarah's Key)■製作年・国:2010年、フランス■上映時間:111分■字幕:斎藤敦子■料金:..
Weblog: kintyre's Diary 新館
Tracked: 2012-03-29 14:25

サラの鍵
Excerpt: フランスでユダヤ人が迫害されていたという事実。そういう事実があったことは知ってはいましたが、詳しくは知らなかった自分が恥ずかしいですね。とてもよく出来ている作品でした。 現代、ジャーナリスト..
Weblog: いやいやえん
Tracked: 2012-07-05 18:21
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。