あれ?ウォシャウスキー「兄」弟じゃないの?と思ったら、お兄さんは性転換したらしいですね。
約3時間(172分)の長尺に加え、既に鑑賞した方のレビューでは、場面転換が早すぎてついていけないという評も多く、不安を感じながら、観に行きました。
Story
初老の男ザックリー(トム・ハンクス)には、時空を超えたいくつもの“自分”の物語があった。1849年の太平洋諸島。“彼”は医師ヘンリー・グースとして弁護士ユーイング(ジム・スタージェス)と出会う。ユーイングはホロックス牧師(ヒュー・グラント)と奴隷売買の契約を交わす。島で罹患したユーイングに、グースは無料の治療を買って出る。1936年、ユーイングの航海日誌を読む音楽家フロビシャー(ベン・ウィショー)は父親に勘当され、恋人シックススミス(ジェイムズ・ダーシー)のもとを離れて、スコットランドの作曲家エアズ(ジム・ブロードベント)の家へ押し掛ける。フロビシャーはエアズの採譜者を務めながら、後に幻の名曲となる「クラウド アトラス六重奏」を作曲する。フロビシャーからの最後の手紙をシックススミスが受け取った37年後の1973年、サンフランシスコ。物理学者となったシックススミスは、人命に関わる原発の報告書をジャーナリストのルイサ(ハル・ベリー)に託そうとして殺される。原発の従業員アイザック・スミスである“彼”はルイサと恋におち、会社を裏切る決意をする。2012年のロンドンで“彼”は作家ダーモット・ホギンズとして著書を酷評した書評家を殺し、カルト的英雄となる。大儲けした出版元のカベンディッシュ(ジム・ブロードベント)はダーモットの弟たちに脅迫される。2144年、遺伝子操作で作った複製種を人間が支配する全体主義国家ネオ・ソウル。複製種ソンミ451(ペ・ドゥナ)は密かにカベンディッシュ原作の映画を観て自我に目覚める。革命軍チャン(ジム・スタージェス)と恋におちた彼女は、自ら反乱を率いる。ソンミが女神として崇められる地球崩壊後106度目の冬の地で、進化した人間コミュニティーからの使者メロニム(ハル・ベリー)が若き日のザックリーの村を訪れる。ザックリーがガイド役となり悪魔の地と呼ばれる険しい山の山頂にたどり着くと、メロニムの驚くべき使命が明かされる・・・。
(Movie Walkerより)
確かに6つの物語の入れ替わりは、めまぐるしい。でも、ストーリーを追うことはできます。ただ、時代も登場人物も異なるそれぞれの物語がどう呼応しているのか、ごく一部を除いて理解できませんでした。だから、おそらく監督が意図しているであろう「物語の広がり」というものが感じられません。映画のキャッチコピーである「いま、<人生の謎>が解けようとしている」とか、公式サイトのシノプシス(あらすじ)にある「時代が変わっても、場所が変わっても、愛する人と必ずめぐり遭う」という言葉も、もうひとつ実感できない。
この映画では各俳優が、各時代の物語に登場し、何役も演じています。エンドロールで、各俳優が演じた役を映像でまとめてくれているのですが、これがこの映画最大の驚きでした。ええ!この役もトム・ハンクスだったの?え?これもハル・ベリー?。特殊メイク、凄いなぁ・・・。
で、本編では理解できなかった誰が誰を演じているかを理解してから観ると、より一層面白いかもしれませんね。あと、公式サイトのプロダクション・ノートを読むと、各ストーリーの間のつながりがよく分かります。映画初見でここまで観ることは不可能ですね。読んでから観た方がいいかも。
『クラウド アトラス』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/cloudatlas/