2007年03月11日

映画『バッテリー』

 近所の映画館で『バッテリー』を観てまいりました。今年9本目。空いてましたバッド(下向き矢印)

 もともと原作が好きなのですが、映画化の話を聞いたときは、イメージが崩れそうで嫌だなぁ・・・と思いました(じゃ、観なきゃいいだけですがあせあせ(飛び散る汗))。劇場で予告編を眼にしたときも、同様の危惧を抱きました。

 というわけで、観に行かないつもりだったんですが、あす☆バラさんのレビューを読んで、観に行ってみようかなぁ・・・と。

 で、実際に観た感想としては、イチ原作ファンとしては物足りないところもあるけど、普通に「少年」を描いた映画としては、まあ水準作ではないかと。


 中学入学を控えた春休み。少年野球離れした剛速球を誇る天才ピッチャー・原田巧(林遣都)は、母・真紀子(天海祐希)の実家であり、祖父・洋三(菅原文太)の住む岡山県新田市に引越して来る。体の弱い弟・青波(セイハ/鎗田晟裕)のため、父・広(岸谷五朗)の転勤をきっかけに空気のきれいな街で暮らすことにしたのだ。

 自分の才能に絶大な自信を持ち、どこか他人を寄せ付けないところのある巧だが、引越早々、同級生になる永倉豪(山田健太)と出会う。小学校時代に巧の投げる試合を見てそのボールに惚れ込み、バッテリーを組むことを熱望する豪。巧もまた、たった5球で自分のボールを捕まえた豪のキャッチャーとしての力量を認める。

 しかし、揃って入部した新田東中野球部は、顧問の戸村(萩原聖人)によるスパルタ式の管理野球で、巧たちの思い描く野球とは違っていた。だが、自分の野球のために、自分の意志を貫く巧は、監督と衝突しながらも自分を認めさせていく。ところが、そんな巧を快く思わない一部の3年生による暴力事件が起き、野球部は活動停止の処分を受ける。

 3年生に最後の試合をさせてやりたいと考えた戸村は、巧と豪のバッテリーを、全国大会準優勝の強豪・横手二中の四番打者・門脇(渡辺大)と勝負させる。勝負に敗れた門脇は、戸村の思惑通り、自分の学校の監督に無断で、新田東中との対戦を申し入れる。

 「怪物」といわれる強打者・門脇を迎えて、ますます威力を増す巧の速球。しかし、豪はそれを捕球できない。そんな豪を信頼できず、全力投球できなくなり、打ち崩される巧。そこへ現われた横手二中の監督により試合は中断されたが、巧と豪の間には不協和音が残る。

 そして、再試合。病室の青波を見舞った巧は、それまで青波を思う余り自分に辛く当たってきた母の前で、自分のピッチングができるのか。打席に立つ門脇の向こう、豪のミットを信じて渾身のボールを投げ込めるのか・・・。


 なんだか、「分かりやすい」映画になっちゃったな・・・バッド(下向き矢印)という気がします。ストーリーも、巧やそのほかの登場人物の描き方も、少年の成長物語としての児童文学の定型を踏み越えたところが原作の魅力だと思うんですけどね。

 原作の巧は、大人の求める「少年らしさ」なんか意に介さない、「あんたは真っ直ぐ全力で生きてるのか?」「自分の言動に責任や覚悟を持ってるのか?」って、大人に切っ先を向けるようなドキッとさせる存在、未熟だけど未熟なりに完成された存在なんです。

 原作に登場しないヒロインとの淡い恋模様も余計かな。

 オトムライ(戸村先生)も随分マイルドになっちゃって、原作のような「嫌な奴だな、コイツ」、「実は結構いい人かも」という相反する印象を与えるキャラじゃありません。

 あと、映画終盤の父・広の「巧にとって野球は『祈り』だと思わない?体の弱い青波の代わりに弟の好きな大好きな野球を続けていると思わない?」というセリフも引っかかりました。巧は他の誰かのために野球をやっているわけじゃないと思うのですが。

 それとも、まだ僕が読んでいない原作の第6巻で、そんな展開があるのでしょうか?

 ・・・と、ケチばかりつけてしまいましたが、原作者のあさのあつこさんはこの映画を気に入っておられるようです(チョイ役で出演も)。それに、映画初出演で演技初体験の林君、山田君、鎗田君が瑞々しくて爽やかで、とても良いですよるんるん

 原作は全6巻。文庫版は第5巻まで発売中で、いよいよ第6巻が4月15日に発売されます。楽しみだわーい(嬉しい顔)。さらに後日譚の『ラスト・イニング』が単行本で出ていて、これも買うつもりです。

映画『バッテリー』公式サイト
http://www.bt-movie.jp/
posted by ふくちゃん at 23:48| 兵庫 ☀| Comment(7) | TrackBack(18) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
観に行かれたのですね♪
この映画を観た後に、原作は単行本何冊にもなるボリュームだという事を知りました。
やっぱり原作フアンにはかなり物足りないのかも…。
私は逆に原作を読みたくなりました。
Posted by 35-lapis_lazuli at 2007年03月13日 00:34
原作の方は私は未読だったんですが、オトムライ先生の描写は中途ハンパだなぁ〜と感じてました。怖い先生が急に優しくなってるし^^;
やはり、2時間にまとめるにはムリがあったんでしょうか??
泣いたことは泣いたんですが・・・微妙。
原作、私も読んでみたくなりました。
Posted by めい at 2007年03月13日 22:39
>35-lapis_lazuliさん。
原作は意外にスイスイ読めますよ。
初めて読んだときは「これも児童文学なんだぁ」と新鮮な驚きでした。

>めいさん。
そうなんですよ。映画のオトムライは急激なスピードで(笑)、いい人になってしまいましたね。
原作、ぜひ読んでみて下さい。子供だけに読ませるのはもったいないですから(^^)。
Posted by ふくちゃん at 2007年03月13日 23:48

バッテリー…

この言葉を聞いて
ゎらひは既に切れかけた
自分のバッテリーのことかと
思いまふた。。。

もう
バッテリー交換すら
できないのらぁ〜っ((+_+))
Posted by ある酎 at 2007年03月15日 14:08
>ある酎さん。
はよ、買いなさい。
Posted by ふくちゃん at 2007年03月18日 00:02
 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。

 原作読んでると、どうしても物足りなさを感じてしまいますよね。
 ふくちゃんさんと同じようなことを私も思いました。
 全体にはさわやかでいい映画なんだけど、でも・・・、みたいな。

 少年たちは皆よかったですね!
Posted by miyukichi at 2007年10月09日 21:31
>miyukichiさん。
あの原作の良さを、映画の中に凝縮するのは難しいでしょうね。
多分、巧は単なる嫌なヤツになってしまうでしょう(笑)。
Posted by ふくちゃん at 2007年10月09日 23:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

「バッテリー」レビュー
Excerpt: 「バッテリー」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:林遣都、山田健太、鎗田晟裕、蓮佛美沙子、萩原聖人、上原美佐、濱田マリ、米谷真一、大賀、山田辰夫、塩見三省、岸部一徳、天海祐希..
Weblog: 映画レビュー トラックバックセンター
Tracked: 2007-03-12 08:32

「バッテリー」
Excerpt: 試写会に行ってきました。 原作本は500万部以上の売上げだそうですね。 私は読んだことはないんですが 書店に行くといつも目にしていたこの本のタイトルと図柄からは どんな内容のものな..
Weblog: 塩ひとつまみ
Tracked: 2007-03-12 14:35

バッテリー
Excerpt: 先日、珍しく試写会が当たり、バッテリーを観てきました。 演技指導よりもまずは野球指導から入ったというだけあって、野球のシーンは本当に見事! 子ども達の演技もすばらしくて、大人達の演技をくっちゃ..
Weblog: あす☆バラ
Tracked: 2007-03-13 00:30

『バッテリー』思春期ど真ん中!
Excerpt: バッター席には、母。その時、巧が投げる球は...最恐の魔球”思春期ボール”だー!! 『バッテリー』は最後の巻が出るまで、すごく待ち遠しかった本です。 当時、私なりの”脳内妄想キャスティング..
Weblog: 描きたいアレコレ・やや甘口
Tracked: 2007-03-13 10:15

「バッテリー」:白金台駅前バス停付近の会話
Excerpt: {/kaeru_en4/}この堂々たる建物は何だ? {/hiyo_en2/}東大医科学研究所。 {/kaeru_en4/}東大って、あの六大学野球の万年弱小チーム、東大か? {/hiyo_en2/}..
Weblog: 【映画がはねたら、都バスに乗って】
Tracked: 2007-03-13 21:28

映画 「バッテリー」
Excerpt: 予告編を観て気になった「バッテリー」を観に行きました。
Weblog: めいのハマリモノ
Tracked: 2007-03-13 22:40

「バッテリー」試写会レビュー 野球、、、。
Excerpt: いや〜良かった。花粉症で目カピカピのはずやのに泣いてしまいました。野球をほんといろんな面から丁寧にとらえていて、、、まさに名作じゃないでしょうか。
Weblog: 長江将史〜てれすどん2号 まだ見ぬ未来へ
Tracked: 2007-03-14 01:43

『バッテリー』
Excerpt: いまだからこそ、できることがある。 ■監督 滝田洋二郎■原作 あさのあつこ(「バッテリー」角川文庫刊)■脚本 森下 直■キャスト 林 遣都、山田健太、鎗田晟裕、蓮佛美沙子、天海祐希、岸谷五朗、菅..
Weblog: 京の昼寝〜♪
Tracked: 2007-03-16 12:31

映画 バッテリー 感想
Excerpt: 原作ファンなのですごく心配だったのですが(児童書で出版されたときからよんでました)、下馬評どおりというか、安心しました。とりあえずあの頃の自分に「巧と豪マジにいたよ!会ってきたよ!」って自慢したくなっ..
Weblog: Ondul Blog ver.2.07
Tracked: 2007-03-19 10:14

オススメ映画☆ BYマリク=ミマチ
Excerpt: 写真が横向いちゃってごめんなさい・・・・・(*_ _)人 『パフューム』見ました!! 感想を一言で言うと・・・・・・・・・・悲しいなぁ・・って感じでした。 この男の人は主..
Weblog: 旅慣れテーラーへの道【第T章:undecided】(仮)
Tracked: 2007-03-23 14:13

バッテリー
Excerpt: ★★★★  子供が主演の映画には、いつでも泣かされてしまう。やはり子供たちの心が真直で、透明だからなのだろうか。 野球は個人競技ではない。どんなに優れた選手がいても、チーム全員の心が一つにならなければ..
Weblog: ケントのたそがれ劇場
Tracked: 2007-03-29 21:14

バッテリー = 日本
Excerpt:    いまだからこそ、できることがある。 純粋に受け止められた作品。 見事なキャスティング。
Weblog: a day on the planet
Tracked: 2007-04-02 10:57

『バッテリー』
Excerpt: 感動度[:ハート:][:ハート:][:ハート:]          2007/03/10公開  (公式サイト) 泣き度[:悲しい:] 笑い度[:ラッキー:][:ラッキー:] 満足度[:星:][..
Weblog: アンディの日記 シネマ版
Tracked: 2007-04-12 15:43

山田健太
Excerpt: 山田健太山田 健太(やまだ けんた、1991年4月28日 - )は、神奈川県出身の俳優。セントラルプロダクション所属。血液型B型。身長170?。趣味はギター・カラオ..
Weblog: なつみのブログ
Tracked: 2007-08-17 10:32

バッテリー [Movie]
Excerpt:  映画(DVD)「バッテリー」         (滝田洋二郎:監督/あさのあつこ:原作)  バッテリー 特別編 (初回生産限定版) (あさのあつこ書き下ろし小説付)角川エンタテインメントこのアイテムの..
Weblog: miyukichin’mu*me*mo*
Tracked: 2007-10-08 00:20

バッテリー
Excerpt: 映画のバッテリーをやっと見ました原作はすべて読んでますでもまさか原作6巻分のお話全てをやるとは思ってませんでした(まぁかなりはしょってましたが・・・・)結果としてかなりうまくまとまった良い青春映画にな..
Weblog: にき☆ろぐ
Tracked: 2008-03-17 19:16

「バッテリー」一生懸命と言う言葉をふと思い出す
Excerpt: 「バッテリー」★★★ 林遣都 、山田健太 、鎗田晟裕 、蓮佛美沙子 天海祐希 、岸谷五朗 、萩原聖人 出演 滝田洋二郎 監督、2006年、118分 「『おくりびと』で話題の滝..
Weblog: soramove
Tracked: 2009-03-05 14:52

バッテリー(2006)
Excerpt: 原作は、人気作家あさのあつこの代表作である同名ベストセラー。オーディションで見出された新人、林遣都が、その美貌や雰囲気もさることながら、天才ゆえの孤独を抱えて、ちょっと鬱屈した中学生ピッチャーを、よく..
Weblog: のほほん便り
Tracked: 2016-09-07 09:52
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。