Story
スターとしての絶頂期を過ぎ、もう30年も新曲を書いていないダニー(アル・パチーノ)は、ドラッグと酒と未入籍の若い妻に溺れながら、往年のヒット曲を歌うだけの虚しい日々を送っていた。そんなダニーにサプライズの誕生日プレゼントとして、尊敬する故ジョン・レノンからの手紙が。43年前、駆け出しの頃のダニー宛に雑誌社に届いた手紙はダニーの手元に渡らぬまま、コレクターに売却されていたのだが、長年彼を支えてきたマネージャー(クリストファー・プラマー)がその存在を知り、入手したのだ。そこには、富や名声に惑わされず、音楽への愛情を持ち続けることの大切さが綴られていた。「あの時手紙を受取っていたら、今よりマシな人生に出来た・・・」今からでも遅くないと、ダニーはツアーをキャンセル。豪邸も妻も捨てて、ホテルに居を移し、新曲作りに励み、顔も見たことのない息子に初めて会いに行く。予想通り息子には激しく拒絶されるが、気立ての良いその妻と可愛い孫娘を味方につけ、懸命に愛情を捧げるダニー。だが、息子が心を開きかけた時、ダニーは彼が深刻な病に罹っていることを知る・・・。
(Movie Walkerより改変)
イギリスのベテラン・フォーク・シンガー、スティーヴ・ティルストン(←全然知らない人)が、1971年のデビュー直後に雑誌のインタビューで、今後仮に富と名声を得ることになった場合の自己の変容への不安を述べました。
その雑誌を偶然読んだジョン・レノンが励ましの手紙を出したものの、なぜかスティーヴ本人には届かず、34年後の2005年にアメリカのコレクターから「この手紙が本物であると証明してほしい」という連絡が来て画手紙の存在が発覚・・・という逸話から発想された映画です。
なぜ手紙は本人に届かなかったのか。映画の中では、手紙を受け取った雑誌社の編集長が「金になる」ということでコレクターに売り払ったことになっていました。
本当なら、ひどいことですね。
多分、スティーヴ・ティルストンは、ダニー・コリンズほど、自堕落な生活はしていないと勝手に想像します。
芸達者なベテラン俳優とツボを押さえた王道脚本の安定品質の作品ですが、もっとダニーの音楽、特にせっかくの新曲をしっかりフルコーラス聴かせてほしかったなぁ・・・。
ジョン・レノンの名曲もBGMとして沢山かかるけど、意外に“音楽”映画ではなかったです。
〔満足度〕★★★☆☆
『Dearダニー 君へのうた』公式サイト
http://deardanny.jp/