クリント・イーストウッド監督の新作『ジャージー・ボーイズ』を新宿ピカデリーで。元は同名タイトルの人気ブロードウェイ・ミュージカルです。
ビートルズ以前、1960年代に世界を席巻した人気グループ、フォーシーズンズの歩みを基にした作品だそうです。ちなみにミュージカル版の音楽を担当しているのは、フォーシーズンズのメンバーだったボブ・ゴーディオとグループのプロデューサーだったボブ・クルー。
フォーシーズンズという名前は知らなくても『君の瞳に恋している』という邦題の付いた曲(厳密にはグループの曲ではなくメインボーカルのソロ曲)なら、皆さん聞いたことがあるでしょう。僕もそのクチです(笑)。
Storyニュージャージー州の貧しい地区に生まれたフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)、ボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)、ニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)、トミー・デヴィート(ビンセント・ピアッツァ)。希望のない町に生まれた4人は、自分たちの音楽だけで夢のような成功をつかみ取る。彼らはザ・フォー・シーズンズとして、『シェリー』、『恋はヤセがまん』、『恋のハリキリ・ボーイ』、『悲しき朝焼け』、『悲しきラグ・ドール』、『バイ・バイ・ベイビー』、『愛はまぼろし』、『君の瞳に恋してる』といった数々の名曲をヒットさせ、音楽界に不滅の伝説を打ち立てていく。しかし、そのまばゆいばかりの栄光ゆえに、裏切りと挫折、別離、家族との軋轢といった不幸が彼らを襲う・・・。
(Movie Walkerより)
ほぼ予備知識なしで観に行きました。
ミュージカル映画ではありません。音楽好き必見です。
登場人物たちが突然カメラ目線でナレーションを入れるという演出に最初は面食らいましたが、観ているうちにこれが楽しくなってきます。ミュージカル版でも同様の演出が行われているそうです。
メインボーカルの声質は僕の好みではありませんが、もちろん上手い。4人のハモリも心地良いです。映画を観ながら、これはレコードをかけての口パクなのか、キャストが本当に歌っているのか、どっちなんだろうと思っていましたが、帰宅して公式サイトのプロダクション・ノートを読んだら、なんと撮影カメラの前で生で歌い、そのまま録音して使っているとのこと。
驚きましたが、4人中3人がミュージカル版でも同役を演じていたと知り、納得です(メインボーカルのフランキー役ジョン・ロイド・ヤングさんは、現在音楽活動もしているそうです)。
Wikipediaのフォーシーズンズの項を読むと、本当に紆余曲折、山あり谷ありで、映画は史実に比べると脚色・省略されているようですが、それでもアメリカン・ドリームの光と影、その落差は凄まじいですね。
アマチュア時代からグループを主導し、犯罪にも手を染めてきたやんちゃなトミーと彼に誘われるまではどちらかといえば冴えない青年だったフランキーの愛憎と友情の描き方もいい。
当人や周囲の人たちは大変だったでしょうが。
青春映画の佳作です。
こういう映画が日米ともヒットしないなんて映画ファンはどこに目をつけてるんだ。。。
とか言ってみたりして。ですが、僕が参照する映画ブロガーの皆さんは軒並み高評価で、嬉しく思いました。
ここから
ネタバレです。
映画はグループが崩壊して、メンバーのゴーディオとプロデューサーのクルーの共作『君の瞳に恋してる』をフランキーがソロで歌いヒットを飛ばした1967年(この曲が最初はレコード会社から見向きもされなかったことが不思議)から、一気に1990年に飛んで、結成時のオリジナルメンバー4人によるフォーシーズンズがロックの殿堂入りで再会して歌うところで終わります。
老け顔メイクが完璧(笑)。
そして、エンドロールでは、全ての出演者による歌とダンス(『舞妓はレディ』と同じだ!)。
クリント・イーストウッド御大は、御年84歳。こんな粋な映画を撮るなんて、まだまだ若々しい感性の持ち主ですね。
ちなみに、フランキー氏は現在80歳。ゴーディオ氏と共に、この映画の製作総指揮に名を連ね、現在も世界各国でコンサートを開いているそうで、最近にもこの映画に合わせて日本でも初めてライブを開催したようです。凄い。
『ジャージー・ボーイズ』公式サイトhttp://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/
posted by ふくちゃん at 21:54| 兵庫 ☀|
Comment(0)
|
TrackBack(16)
|
Cinema Review
|

|