先日46歳になりました。
ある人から聞いた話ですが、46歳は人生で最も不幸と感じる人が多い年齢だということです。いつ頃の話かは分かりませんが、アメリカでの調査結果として、イギリスの雑誌『エコノミスト』に掲載されたとか。
ネット検索した限りでは、日本では2年ほど前に雑誌『プレジデント』で紹介されたようですね。
幸い、私は自分が不幸だという認識はないです。いまだに“おひとりさま”とはいえ、それゆえの気楽さもあるし、仕事もあるし、映画や読書や音楽を楽しむゆとりもあるし、子どもの頃からの友人もいるし、これで不幸などと言ったら罰があたります。
さて、今日は初めての訪問(?)となる角川シネマ新宿で、英独合作映画『アンコール!!』(原題SONG FOR MARION)を鑑賞してきました。相変わらず新宿は暑いです。
Storyロンドン。無口で気難しいアーサー(テレンス・スタンプ)は隣近所でも有名なガンコ者で、1人で娘を育てる息子のジェームズ(クリストファー・エクルストン)との関係もギクシャクしていた。唯一、笑顔を見せるのは、最愛の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)に対してだけ。病弱だが陽気なマリオンの趣味は、ロックやポップに挑戦するちょっと変わった合唱団“年金ズ”で歌うこと。そんな“年金ズ”にある日、国際合唱コンクールのオーディションに出場するチャンスが巡ってくる。喜ぶマリオンだったが、ガン再発と余命宣告が・・・。練習に行けないマリオンのたっての頼みで、渋々合唱団の門を叩くアーサー。美人なのに恋愛ベタな音楽教師エリザベス(ジェマ・アータートン)や、個性派だらけの仲間との出会いは、アーサーの毎日を思いもよらない方向へ導いてゆく。間近に迫るコンクール。マリオンがアーサーに伝えたかったこととは・・・?そして、自分の殻に閉じこもっていた72歳のアーサーを待ち受ける新たな人生のステージとは・・・?
(Movie Walkerより)
アーサーとマリオンの夫婦関係の妙や、マリオンを喪ったアーサーが歌いたいと思うに至る経過は、もっと丁寧に見せてほしかったと思います。
また、「規格外」だからということで、国際合唱コンクールのリハーサル後に、主催者から締め出しを食らう“年金ズ”ですが、それならなぜ事前審査で“年金ズ”の地元でのコンサートにやってきた審査員は、彼らを選らんだのか、疑問です。事前審査は、本選のときよりよほど規格外だったはず。
で、その「規格外」度も、実はそれほどでもなく、わりに上品です。もっとハジケても良かったでしょう。
アーサーのソロ・パートは素人のおじいさんのものとしては、優しくて良いボーカルでしたが、欲を言えばもっと歌唱力があったら、さらに感動的だったかも。あるいは選曲の問題でしょうか。いずれにせよ、彼が歌う背景を何も知らない観客がスタンディング・オベーションするほどのものとは、思えません。
しかし、ミュージカル映画はあまり好きではないものの、音楽映画には採点が甘くなる私です。
マリオンが地元コンサートでソロ・パートを歌う “True Colours”(シンディ・ローパー/1986年)の歌詞が、彼女のアーサーへの想いとぴったり重なって、決して上手くはないけれど、涙なしでは見られません。ほとんどこのシーンだけでも、観て良かったと思えます。
ストーリーは予定調和ですが、それゆえの心地よさに包まれる佳作です。
『アンコール!!』公式サイトhttp://encore.asmik-ace.co.jp/
posted by ふくちゃん at 18:32| 兵庫 ☁|
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