2013年08月12日

映画『ワールド・ウォーZ』

 夏休み+シネマチネ(割引デー)+『風立ちぬ』(だけじゃないかもしれませんが)で、新宿バルト9は大混雑でした。『ワールド・ウォーZ』も、ほぼ満席だったように思います。


Story
中国僻地で発生した謎のウィルスが爆発的に全世界へと拡大。このままでは、世界は90日以内に滅亡する。全人類を絶滅へと導くウィルスの感染を防ぐため、元国連調査官のジェリー(ブラッド・ピット)は、愛する家族と離れ、世界を駆け回る。しかしすでに政府と軍隊は崩壊、感染の速度は加速し続けていた・・・。
(Movie Walkerより)


 新聞で読んだ監督インタビューによると、人とZ(感染者)の戦いは、国と国の対立の暗喩でもあるそうです。

 「事が起こるまで気づかないのは愚かさや怠慢のせいではない。人間の本質なのだ」というセリフが出てくるのですが、その背景には「人間はなかなか現実を直視することが出来ずに惨事を繰り返してきた。(中略)現実から目を背けることで希望を持つのではなく、積極的に運命を変えていくことが必要だと言いたかった」という意図があると、同じインタビューで監督は語っておられました。

 でも、僕にはやっぱりある種のゾンビ映画にしか見えませんでしたね〜。ゾンビものが苦手な人はパスした方が良いかもしれません(笑)。

 単なるゾンビ映画ではない・・・というのであれば、もう少し科学的裏付け(っぽいもの)を描いて欲しかったなぁ。。。

 大勢のZ(感染者)が高い壁をよじ登るシーンは迫力あります!

 ・・・横のカップルがぺちゃくちゃ煩かったので、ぶん殴りたい気持ちを抑えながらの鑑賞でした。喋りたければ劇場に来るな!

 どういうわけか、上映中に劇場を出入りするお客も多く、そのたびに座席の背を蹴られて・・・今日の鑑賞環境は最悪でしたふらふら

『ワールド・ウォーZ』公式サイト
http://www.worldwarz.jp/
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2013年07月23日

映画『風立ちぬ』

 『崖の上のポニョ』以来5年ぶりとなる宮崎駿監督の新作を、新宿ピカデリーにて鑑賞。


Story
少年の頃から飛行機に憧れ、東京の大学に進学、ドイツへの留学を経て、航空技術者となった堀越二郎(声:庵野秀明)。夢や憧れ、恋、やがて近づく戦争など、零戦を設計したことで知られる彼の若かりし頃を描く。
(Movie Walkerより)


 Movie WalkerのStory紹介が半端なく短い(笑)。気に入った作品なら、思いっきり補足して、長文化するのですが・・・。

 「アニメ作りの方程式を崩した」「子供の時に、分かりにくいものに接する体験には意味がある」「ファンタジーを作り続けるのは無理」という監督の言葉を新聞のインタビューで読みました。

 でも『風立ちぬ』も、ゼロ戦の設計者という実在の人物を主人公に史実を取り込んだ作品ではあっても、やはり一種のファンタジーだと思いました。

 そのことは良いのですが、面白いとは思えませんでした。

 “方程式を崩した”ためか、ヤマがないのです。映像や音楽はさすがですが・・・。126分が長く感じられました。今後、宮崎駿監督の新作があったとしても、もう観ないかもしれません。


『風立ちぬ』公式サイト
http://kazetachinu.jp/
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2013年07月12日

映画『アンコール!!』

 先日46歳になりました。

 ある人から聞いた話ですが、46歳は人生で最も不幸と感じる人が多い年齢だということです。いつ頃の話かは分かりませんが、アメリカでの調査結果として、イギリスの雑誌『エコノミスト』に掲載されたとか。

 ネット検索した限りでは、日本では2年ほど前に雑誌『プレジデント』で紹介されたようですね。

 幸い、私は自分が不幸だという認識はないです。いまだに“おひとりさま”とはいえ、それゆえの気楽さもあるし、仕事もあるし、映画や読書や音楽を楽しむゆとりもあるし、子どもの頃からの友人もいるし、これで不幸などと言ったら罰があたります。


 さて、今日は初めての訪問(?)となる角川シネマ新宿で、英独合作映画『アンコール!!』(原題SONG FOR MARION)を鑑賞してきました。相変わらず新宿は暑いです。


Story
ロンドン。無口で気難しいアーサー(テレンス・スタンプ)は隣近所でも有名なガンコ者で、1人で娘を育てる息子のジェームズ(クリストファー・エクルストン)との関係もギクシャクしていた。唯一、笑顔を見せるのは、最愛の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)に対してだけ。病弱だが陽気なマリオンの趣味は、ロックやポップに挑戦するちょっと変わった合唱団“年金ズ”で歌うこと。そんな“年金ズ”にある日、国際合唱コンクールのオーディションに出場するチャンスが巡ってくる。喜ぶマリオンだったが、ガン再発と余命宣告が・・・。練習に行けないマリオンのたっての頼みで、渋々合唱団の門を叩くアーサー。美人なのに恋愛ベタな音楽教師エリザベス(ジェマ・アータートン)や、個性派だらけの仲間との出会いは、アーサーの毎日を思いもよらない方向へ導いてゆく。間近に迫るコンクール。マリオンがアーサーに伝えたかったこととは・・・?そして、自分の殻に閉じこもっていた72歳のアーサーを待ち受ける新たな人生のステージとは・・・?
(Movie Walkerより)


 アーサーとマリオンの夫婦関係の妙や、マリオンを喪ったアーサーが歌いたいと思うに至る経過は、もっと丁寧に見せてほしかったと思います。

 また、「規格外」だからということで、国際合唱コンクールのリハーサル後に、主催者から締め出しを食らう“年金ズ”ですが、それならなぜ事前審査で“年金ズ”の地元でのコンサートにやってきた審査員は、彼らを選らんだのか、疑問です。事前審査は、本選のときよりよほど規格外だったはず。

 で、その「規格外」度も、実はそれほどでもなく、わりに上品です。もっとハジケても良かったでしょう。

 アーサーのソロ・パートは素人のおじいさんのものとしては、優しくて良いボーカルでしたが、欲を言えばもっと歌唱力があったら、さらに感動的だったかも。あるいは選曲の問題でしょうか。いずれにせよ、彼が歌う背景を何も知らない観客がスタンディング・オベーションするほどのものとは、思えません。

 しかし、ミュージカル映画はあまり好きではないものの、音楽映画には採点が甘くなる私です。

 マリオンが地元コンサートでソロ・パートを歌う “True Colours”(シンディ・ローパー/1986年)の歌詞が、彼女のアーサーへの想いとぴったり重なって、決して上手くはないけれど、涙なしでは見られません。ほとんどこのシーンだけでも、観て良かったと思えます。

 ストーリーは予定調和ですが、それゆえの心地よさに包まれる佳作です。


『アンコール!!』公式サイト
http://encore.asmik-ace.co.jp/
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2013年06月21日

映画『華麗なるギャツビー』

 F・スコット・フィッツジェラルド(1896〜1940)の原作は、長らく定番であった野崎孝氏の訳とフィッツジェラルドの影響を受けたという村上春樹氏の訳で、それぞれ読みました。

 アメリカ文学史上の最高傑作と言われる小説ですが、僕自身はそれほど強く惹かれる作品ではありません。

 レオ様にもそれほど興味はなく、僕の中のギャツビー像ともイメージが違うので、観るつもりはなかったのですが・・・。

 評判がなかなか良いようなので、観てみました。


Story
1920年代。ジャズと禁酒法の時代。作家になる夢を諦め、故郷の中西部からニューヨークへとやって来た証券マンのニック・キャラウェイ(トビー・マグワイア)は、宮殿のような豪邸で毎夜豪華絢爛なパーティーを開く謎めいた大富豪ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)の隣に居を構える。港を隔てた向こう岸には、いとこのデイジー(キャリー・マリガン)とその夫で傲岸な金満家トム・ブキャナン(ジョエル・エドガートン)が住む邸宅があった。ある日、ニックはギャツビーからパーティーに招待されて親しくなり、やがて彼の生い立ちを打ち明けられる。裕福な名家に生まれ、ヨーロッパで宝石や名画に囲まれた贅沢な暮らしを送った後、戦争で数々の勲章を受けて英雄となり、両親が亡くなった今は天涯孤独の身だという。だがそんな出来すぎた話に、ニックは「ギャツビーは何かを隠している」と直感する。やがて、耳を疑う噂と危険な人脈、そしてデイジーとの禁じられた恋が、少しずつギャツビーの華麗な仮面をはがしていくのだった・・・。
(Movie Walkerより)


 これが4度目の劇場映画化で、1974年版ではロバート・レッドフォードが主演しているんですね。

 ストーリーそのものは、通俗的なメロドラマという感じで、取り立ててどうということはないですね。原作小説もこんな感じだったような・・・(忘れた)。

 物量で圧倒する豪華絢爛なパーティー・シーン、栄光から破滅へ、類まれなる存在感を醸し出すレオ様を中心とした役者たちの演技で142分、ダレることなく最後まで観ることが出来ました。

 ギャツビーの人生の目的は、すれ違いで今は他人の妻となったデイジーを取り戻すこと。しかし、結局それは成就しないとあらかじめ知っているので(かろうじて原作の記憶が・・・)、再会後の2人の心が再び近づいていく様は、少し切なかったですね。ギャツビーが愚かなほど、純粋で・・・(ストーカーに近いけど)。


『華麗なるギャツビー』公式サイト
http://www.gatsbymovie.jp/
posted by ふくちゃん at 21:18| 兵庫 ☔| Comment(2) | TrackBack(10) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月17日

映画『俺はまだ本気出してないだけ』

 予告編で面白そうだったので・・・。新宿ピカデリーにて『俺はまだ本気出してないだけ』。原作漫画は全く知りません。


Story
42歳、バツイチの大黒シズオ(堤真一)は、高校生の一人娘・鈴子(橋本愛)、父親の志郎(石橋蓮司)と3人暮らし。「本当の自分を見つける」と勢いで会社を辞めてから1ヵ月経つが、朝から寝転んでゲーム三昧、志郎はそんなシズオに毎日怒鳴り散らしている。ある日、本屋で立ち読みをしていたシズオは突然ひらめき、「俺、マンガ家になるわ」と宣言。根拠のない自信をもとに出版社に持ち込みを続け、担当編集者の村上(濱田岳)に励まされつつ雑誌掲載を目指すも、原稿はすべてボツ。バイト先のファーストフード店でのあだ名は“店長”だが、新人に叱られ、バイト仲間と合コンに行ってもギャグは不発。さらには鈴子に2万円の借金、何かと理由をつけて幼馴染の宮田(生瀬勝久)と飲みに行ってしまう。そんな中、バイト先に金髪の新人・市野沢(山田孝之)がやってくる。初日からやる気がない彼をシズオは飲みに誘うが、宮田の奢りで自分は泥酔。シズオを送った市野沢は大黒家に泊まり、付き合いが始まる。しばらく後、市野沢はバイトを辞めてキャバクラで働き始めるが、何かと揉め事が多い様子。シズオも自信作の自伝マンガを持ち込むが結果はボツ。家では志郎と取っ組み合いの大ゲンカになり家出。宮田には断られ、市野沢の家に転がり込む。「マンガは本気か、趣味か」悩んだシズオは改めて「デビューしたい」と思い直す。「俺には運がないだけ」と考えたシズオは、占い師(佐藤二朗)に運気の上がるペンネームを付けてもらい“中村パーソン”の名前で描いたマンガが新人賞の佳作に引っかかる。一コマだけ小さく掲載された雑誌を買い占めたシズオ。果たしてシズオにデビューの日は訪れるのか・・・。
(Movie Walkerより)


 堤さんは振り切れていましたが、映画は思ったほど振り切れていませんでした。クスクス笑える場面はたくさんあって、それなりに楽しいのですが、勢いを感じさせる編集の予告編がいちばん笑える。その予告編の印象もあって、ハイテンション・ムービーを予想していたのですが・・・(原作を知っていたら、そう思わないのかも)。

 実際の映画は、意外にぐだぐだ系。そのぐだぐだ感が、“いい味”と言えるほどには昇華していないように思います。

 しみじみする場面もありますが、その路線で行くなら、もっと人物を描写してほしかったと思います。


『俺はまだ本気出してないだけ』公式サイト
http://www.oremada.jp/
posted by ふくちゃん at 19:10| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(10) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月15日

宇宙戦艦ヤマト2199 第6章 到達!大マゼラン

 本日より公開の第6章を早速観てきました。新宿ピカデリーで今日上映される全ての映画の中で、最もチケット完売率が高いようです。

 僕が鑑賞した10:25の回は、堤真一さん主演の『俺はまだ本気出してないだけ』(今度観るつもり)も初日舞台挨拶とも時間が近かったらしく、また、8:00の回を観終ってグッズを購入するヤマト・ファンの行列もあり、劇場は大混雑でした。

 2199も今日は2回の舞台挨拶がありましたが、もちろんその上映会のチケットは取れず・・・。でも、25日のヤマトークは取りました。

 さて、第6章。

 いよいよ、ドメル艦隊とヤマトの決戦!ドリルミサイルのくだりは意外にあっさりしていたような気がしますが、見応えバッチリでした。

 ドメルがなぜ十分とは言えない戦力でヤマトを迎え撃つことになったのか、そもそも圧倒的な軍事力を有しているはずのガミラスがなぜ、ヤマト一隻に敗れることになるのか、その説明は、この第6章と前回の第5章でしっかりと説明され、オリジナルより説得力が増しています。

 さりながら、なぜドメルは嫌疑が晴れて復帰したのに、同じ嫌疑をかけられていた上司のディッツ提督は収監されたままなのか。そして、ディッツやメルダが反体制側につくことに踏み切ったのはなぜか、もう少し描いて欲しかった。次章で説明があるのかな?

 デスラー総統の今回の演説は、イマイチだったように思います。ガミラス語でやった方が雰囲気が出たのでは?

 そして、ヤマトを襲う光線砲。あれはデスラー砲か?直撃されるとヤバイぞぉ・・・うわああ、ここで終わるかぁ〜。

 ED曲は、いままでで一番良くない。OP曲は今のTV版も悪くないけど、やはり正調・佐々木功独唱バージョンが好きです。

 8月24日からの第7章、早く観たいですが、いよいよそれで最終章。もう終わりか・・・。あっという間だったなぁ・・・。もっと観たいなぁ・・・。


『宇宙戦艦ヤマト2199』公式サイト
http://yamato2199.net/
posted by ふくちゃん at 16:02| 兵庫 ☔| Comment(2) | TrackBack(5) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月11日

映画『オブリビオン』

 バルト9の下の階にある「青葉」で中華そばの大盛りを食した後、2本目はトム・クルーズ主演のSF『オブリビオン』。

 オブリビオン(oblivion)という聞きなれない単語の意味は、映画を観れば分かるだろうと高を括っていましたが、分からなかったので、調べてみると「忘却」。なるほど、主人公の状態ですね。


Story
2077年、エイリアンの攻撃を受けて、人類は勝利するも、地球は壊滅。人類は宇宙ステーションに移住し、さらに土星の月=タイタンへ移住を計画中であるが、ジャック(トム・クルーズ)は、海水からエネルギーを取り出すプラントを敵の残存勢力から守るため、高度1,000mのタワーを拠点に、ヴィクトリア(アンドレア・ライズブロー)と2人だけで地球に残り、パトロールと監視用ドローン〔無人偵察&攻撃機〕のメンテナンスを担当していた。業務遂行のために過去の記憶を消去されたジャックだが、かつてのニューヨークで美女とデートする夢を繰り返し見ていた。ある日ジャックは、墜落した宇宙船から、夢の中の美女ジュリア(オルガ・キュリレンコ)が救い出す。彼女は目を覚ますと、ジャックの名前を口にする。墜落した宇宙船のフライト・レコーダーの回収に向かったジャックとジュリアは、ジャックとヴィクトリア以外誰もいないはずの地球で、謎の男ビーチ(モーガン・フリーマン)によって拘束される。ジュリアとビーチの存在によって、ジャックと地球の真実が明らかになり始める・・・。
(Movie Walkerより改変)


 さすがハリウッドというべきVFX映像。デザイン・センスも抜群。ストーリー進行は意外にモタモタしていましたが、パトロール機(バブルシップ)やドローンの飛行する姿は、まさに縦横無尽、スピード感に溢れていました。

 「ジャックは実は○○○○だった」というのはありがちですが、最初に彼のナレーションで説明された世界設定=地球・人類の歴史と現況に関する認識が覆されていく構成は(分かりにくいけど)そこそこ面白い。ジャック本人が最も驚いたことでしょう(笑)。

 ラストについては、ああいうハッピーエンドでも良いけど(でも本当にハッピーエンドなのか?よくよく考えると不気味でもある)、切なさは弱まる。それに52号は、どうやって49号と同じ現状認識に至ったのだろう?そして、敵の本当の正体は?コンピュータなのか?コンピュータ型の知的生命体なのか?

 少しモヤモヤが残ります。


『オブリビオン』公式サイト
http://oblivion-movie.jp/
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映画『言の葉の庭』

 今日は、新宿バルト9で2本ハシゴ。1本目は、新海誠監督の新作アニメ『言の葉の庭』です。2本続けて観るとはいえ、こちらは46分の短い作品ですので、体力的には楽。


Story
靴職人を目指す高校1年生のタカオは、専門学校進学のための学費を貯めるためのアルバイトもしながら、こつこつと靴を自作していた。雨の日は、午前中だけ学校をさぼって、公園の中の日本庭園の四阿(あずまや)で靴のデザイン画を描いている。ある雨の日、庭園でチョコを食べながら一人で缶ビールを飲む謎めいた女性・ユキノと出会う。その日から、約束はしていないものの、雨の日の午前中にいつも同じ場所で顔をあわせるようになっていく2人。ユキノが自分の居場所を見失っていることを知り、タカオは彼女が歩きたくなるような靴を作りたいと思う。揺れ動く2人の心模様をよそに、梅雨はもうじき明けようとしていた・・・。
(Movie Walkerより改変)


 様々な雨の描写を始め、映像美は“相変わらず”というべきか、“さらに”というべきか、とにかく素晴らしいです。きめ細かで、繊細な仕事ですねぇ。

 そして、新宿を舞台にした作品ということで、日頃目にしているものがアニメーションで描かれているのが、単純に興味深い。新宿御苑の中に入ったことはないですが。

 ですが、タカオの何となく高校に居場所がない感じ、早く大人になりたいという気持ち、靴職人を目指す背景をもっと描いて欲しかった。

 普通のOLかな・・・と思っていたユキノが、実は○○だったと判明した後は、いささかチープなロマンチシズムに流れてしまったように思います。なんだか、あまりも男目線の展開だという気もします。仄かな恋情は良いとして。

 クライマックスとも言える、タカオが心情を吐露する場面は、ピンと来きませんでした。あんなふうに自分の夢を卑下するようなことを言う必要はないし、そのことに関連してユキノを難詰したりするのはお門違いに思えてなりません。自分の思いをちゃんと自分の言葉で言えよ!ということだけを伝えれば良いはず。

 大江千里さん作詞・作曲、秦基博さんボーカルの主題歌は、とても良かったです。


『言の葉の庭』公式サイト
http://www.kotonohanoniwa.jp/
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2013年05月26日

映画『中学生円山』

 5月18日から公開、クドカンこと宮藤官九郎さん監督・脚本の映画『中学生円山』を新宿バルト9で。

 今日は花園神社の例大祭だったようで、都会のど真ん中を多数のお神輿が練り歩いていました。そういえば日曜日に映画館って、久しぶりです。

 バルト9では早くも上映スクリーンが減った『中学生円山』ですが、休日ということでほぼ満席。


Story
9時‐5時サラリーマンの父(仲村トオル)、韓流ドラマにはまっている母(坂井真紀)、デリカシーのない妹。ごく普通の家庭に育った平凡な中学2年生の円山克也(平岡拓真)。団地と学校を往復するだけの日々を過ごす克也だが、思春期らしく頭の中ではエロいことなど妄想ばかりが渦巻いている。最近は、ある目的のためにレスリングと自主トレで身体を柔らかくする努力をしている。ついには限界まで背中を折り曲げた痛みで、度々妄想の世界へトリップするように。その頃、上の階に下井辰夫という男(草なぎ剛)が引っ越してくる。シングルファーザーで、仕事をしている様子はないが、なぜか団地の主婦たちの間にうまく溶け込んでいる。そんなある日、団地の近所で殺人事件が起こる。克也は謎が多い下井が殺し屋ではないかという妄想に取りつかれ・・・。
(Movie Walkerより改変)


 馬鹿馬鹿しさに満ちた映画です。馬鹿馬鹿しい映画がわりに好きな僕ですが、それでもタイトルが出るあたりまではこの映画を選んだことを「時間の浪費以外の何物でもないのではないか・・・」と後悔しかけました。

 中学生のあほらしくエロい妄想、甘酸っぱい妄想、怪奇&ヒーローアクション的な妄想がスクリーン上で爆発します。そして、妄想と地続きのような(映画内の)現実。劇場は笑いで包まれましたが、生理的にダメな人もいたかもしれません。

 メッセージを汲み取ることも可能かもしれない。でも、メッセージなんて必要ない。ただただ予想できない展開に振り回されれば良い。そんな映画です。念のために申し添えると、カップルで観る映画では断じてない(笑)。その状態では笑うに笑えないと思います。

 それにしても、徘徊老人を演じるミュージシャンの遠藤憲司さん(66歳)が劇中で披露するギターとボーカルが、とてつもなくカッコいい!

 草なぎ剛さん、仲村トオルさんの演技も非常に良かったです。

 面白かった!


『中学生円山』公式サイト
http://www.maruyama-movie.jp/
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2013年04月17日

映画『舟を編む』

 今日も新宿ピカデリー。『舟を編む』を観てきました。原作は未読ですが、文庫になったら読むつもりです。

 これまで読んだ三浦しをんさんの小説の中では(それほど読んではいないけど)、『まほろ駅前多田便利軒』と『神去村なあなあ日常』がお気に入りです。


Story
出版社・玄武書房の営業部に勤める馬締光也(松田龍平)は、真面目だが口下手で営業成績は上がらず、職場でも少々浮いている。しかし、言葉に対するセンスを持ち合わせていることを発見され、新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の編纂を進める辞書編集部にスカウトされ、異動となる。“今を生きる辞書”を目指す『大渡海』は、見出し語が24万語という大規模なもの。曲者ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は作業にのめり込む。ある日下宿先に移り住んできた大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に、一目で恋に落ちた馬締。なんとかして自分の思いを彼女に伝えたいが、なかなかふさわしい言葉が出てこず苦悩する。そんな中、会社の方針が変わり、『大渡海』の完成に暗雲がたちこめる・・・。
(Movie Walkerより改変)


 1995年にスタートした物語は、2010年に大団円を迎えます。

 1つの大きな辞書を作るには、言葉や用例の採集から始まり、掲載語句の選択、語釈(言葉の意味の説明)の執筆、5回(←映画の場合)に渡る校正などを経て、完成まで10年・20年単位の時間がかかるんですね。校正の最終段階では、大勢のアルバイトも動員。気の遠くなるような、遠大かつ地道な作業の積み重ねによって生み出される辞書は、実に「人間くさい」シロモノなんだなと思いました。

 思わず、紙の辞書を買って、頭から順に読んでみたくなります。独特の個性的な語釈で有名な『新明解』とか。

 やがて夫婦になる光也と板前の香具矢、一見ちゃらんぽらんな先輩編集者・西岡(オダギリ・ジョー)、『大渡海』の編集主幹・松本先生(加藤剛)、その松本から「半身」と呼ばれるほど信頼が篤く、光也を自身の後継者として見出した編集者・荒木(小林薫)等々・・・脚本・演出・役者の演技によって立ち上がってくる登場人物たちの造形が、いずれも魅力的です。

 光也や荒木、松本先生のように、1つのことに粘り強く真剣に打ち込む姿は、格好良いです。光也に影響されたのか、西岡も彼なりに変わっていきます。2人の友情(とは少し違うか)もイイ。あと、光也と香具矢の夫婦は、理想的な関係に思えました。

 思わず笑ってしまう場面も、グっとくる場面も沢山ありますが、お涙頂戴に流れ過ぎず、非常にバランスが良いです。観て良かった。

 麻生久美子さんが『大渡海』の宣伝ポスターの中で出演していることにはすぐ気が付きましたが、ピースの又吉さんが(おそらく大勢のアルバイトの中?)出演していることには全く気が付きませんでした。


『舟を編む』公式サイト
http://fune-amu.com/
posted by ふくちゃん at 21:11| 兵庫 🌁| Comment(0) | TrackBack(10) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月15日

宇宙戦艦ヤマト2199 第5章 望郷の銀河間空間

 遂にTV放送も始まった『宇宙戦艦ヤマト2199』。残念ながら日曜日17:00といえば、ほとんど仕事をしているので、映画版とは異なるOPやEDもまだ見ていません。

 毎度のことながら出来の良いPVに、いやがうえにも高まる期待。満を持しての観賞は、目まぐるしい展開にお腹いっぱいで帰ってきました。

 これから劇場やTVで観る方のために(劇場はオリジナルヤマト世代が多い。若い世代はTVを見てくれるだろうか)、できるだけネタバレはしませんが・・・。

 艦隊戦は今回こそド派手にやってくれるのでは・・・と期待していたのですが、意外に抑え目。まあ、あれだけの大艦隊とヤマト一隻で真正面から打ち合えば、本来勝ち目などないのですから、上手に現実的な処理をしていると言えるでしょう。その分、カタルシスは弱いけど。

 ヤマト乗組員の反乱劇については、もっと尺があっても良かった。そうすれば反乱に関わった人たちの心の動きが、もっと伝わってくると思います。

 あと、今回のエンディング・テーマ曲が好みじゃありません。もっと抒情的な曲がいいなぁ〜。

 とはいえ、全体的な質はとても高い。

 真田さんと古代守・古代進とのエピソードには、感動。

 ある人に死亡フラグが・・・と思ってドキドキしましたが、今回の章では回避された模様で何より。戦闘モノである以上、誰かが死ぬということがあっても仕方がないのですが、安易なお涙頂戴のために、ドンドン死なせるのは止めて欲しいので(あれは「さらば宇宙戦艦ヤマト」1回きりなら許容できるもの)。

 オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』の初回放送は、裏の超人気アニメ『アルプスの少女ハイジ』に敗れ、当初の企画・予定の話数から大幅に短縮。そのため使用されなかった設定やプロットが色々あるらしいのですが、今回のリメイクでは26話という話数は変えぬまま、そういったエピソードも取り入れているそうです。監督ほかスタッフの熱意に頭が下がります。

 第6章は6月15日、最終第7章は8月24日からの上映。昨年4月から1年間の東京勤務という話でしたが、まだしばらく関西に帰ることはできそうにありません。次も、その次も、新宿ピカデリーで鑑賞かなぁ〜。


宇宙戦艦ヤマト2199 公式サイト
http://yamato2199.net/
posted by ふくちゃん at 19:34| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(4) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月29日

映画『桐島、部活やめるってよ』

 劇場で観たい映画が特にないので、J:COMのPC・スマホ版オンデマンド配信サービスXvie(クロスヴィ)で『桐島、部活やめるってよ』を自宅鑑賞。

 観ようかどうか迷っているうちに、見逃す作品って結構あります。これもそんな作品のひとつ。


Story
いつもと変わらぬ金曜日の放課後、バレー部のキャプテンで成績優秀、誰もがスターとして一目置いていた桐島が突然部活を辞めたというニュースが学校内を駆け巡る。桐島の恋人でさえ彼と連絡が取れないまま。桐島と密接に関わっていた生徒たちはもちろん、ありとあらゆる生徒に波紋が広がっていく。人間関係が静かに変化し、徐々に緊張感が高まっていく中、桐島とは一番遠い存在だった映画部の前田(神木隆之介)が動き出す・・・。
(Movie Walkerより)


 原作も良かったけど、映画も良かったです。さすがは、日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞作品。

 桐島が恋人とも親友とも連絡を絶ったまま突然バレー部を辞め、学校にも姿を見せなくなった金曜日。まず、その1日を違う人物の視点から何度も描くところから始めるという手法が秀逸。

 やたらに「青春」していないのがいい。甘さのない描写がいい。登場人物の心のうちや背景を説明しようとしないのがいい(でも「葛藤」が伝わってくる)。

 劇場で観れば良かったな・・・でも映像で魅せるタイプの映画ではないから、十分満足しました。


『桐島、部活やめるってよ』公式サイト
http://www.kirishima-movie.com/
posted by ふくちゃん at 20:23| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(3) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月22日

映画『クラウド アトラス』

 19世紀から未来まで、6つの異なる時代に生きる人々の姿を描いた同名タイトルの小説を、『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟と『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ、3人の監督で映画化。

 あれ?ウォシャウスキー「兄」弟じゃないの?と思ったら、お兄さんは性転換したらしいですね。

 約3時間(172分)の長尺に加え、既に鑑賞した方のレビューでは、場面転換が早すぎてついていけないという評も多く、不安を感じながら、観に行きました。


Story
初老の男ザックリー(トム・ハンクス)には、時空を超えたいくつもの“自分”の物語があった。1849年の太平洋諸島。“彼”は医師ヘンリー・グースとして弁護士ユーイング(ジム・スタージェス)と出会う。ユーイングはホロックス牧師(ヒュー・グラント)と奴隷売買の契約を交わす。島で罹患したユーイングに、グースは無料の治療を買って出る。1936年、ユーイングの航海日誌を読む音楽家フロビシャー(ベン・ウィショー)は父親に勘当され、恋人シックススミス(ジェイムズ・ダーシー)のもとを離れて、スコットランドの作曲家エアズ(ジム・ブロードベント)の家へ押し掛ける。フロビシャーはエアズの採譜者を務めながら、後に幻の名曲となる「クラウド アトラス六重奏」を作曲する。フロビシャーからの最後の手紙をシックススミスが受け取った37年後の1973年、サンフランシスコ。物理学者となったシックススミスは、人命に関わる原発の報告書をジャーナリストのルイサ(ハル・ベリー)に託そうとして殺される。原発の従業員アイザック・スミスである“彼”はルイサと恋におち、会社を裏切る決意をする。2012年のロンドンで“彼”は作家ダーモット・ホギンズとして著書を酷評した書評家を殺し、カルト的英雄となる。大儲けした出版元のカベンディッシュ(ジム・ブロードベント)はダーモットの弟たちに脅迫される。2144年、遺伝子操作で作った複製種を人間が支配する全体主義国家ネオ・ソウル。複製種ソンミ451(ペ・ドゥナ)は密かにカベンディッシュ原作の映画を観て自我に目覚める。革命軍チャン(ジム・スタージェス)と恋におちた彼女は、自ら反乱を率いる。ソンミが女神として崇められる地球崩壊後106度目の冬の地で、進化した人間コミュニティーからの使者メロニム(ハル・ベリー)が若き日のザックリーの村を訪れる。ザックリーがガイド役となり悪魔の地と呼ばれる険しい山の山頂にたどり着くと、メロニムの驚くべき使命が明かされる・・・。
(Movie Walkerより)


 確かに6つの物語の入れ替わりは、めまぐるしい。でも、ストーリーを追うことはできます。ただ、時代も登場人物も異なるそれぞれの物語がどう呼応しているのか、ごく一部を除いて理解できませんでした。だから、おそらく監督が意図しているであろう「物語の広がり」というものが感じられません。映画のキャッチコピーである「いま、<人生の謎>が解けようとしている」とか、公式サイトのシノプシス(あらすじ)にある「時代が変わっても、場所が変わっても、愛する人と必ずめぐり遭う」という言葉も、もうひとつ実感できない。

 この映画では各俳優が、各時代の物語に登場し、何役も演じています。エンドロールで、各俳優が演じた役を映像でまとめてくれているのですが、これがこの映画最大の驚きでした。ええ!この役もトム・ハンクスだったの?え?これもハル・ベリー?。特殊メイク、凄いなぁ・・・。

 で、本編では理解できなかった誰が誰を演じているかを理解してから観ると、より一層面白いかもしれませんね。あと、公式サイトのプロダクション・ノートを読むと、各ストーリーの間のつながりがよく分かります。映画初見でここまで観ることは不可能ですね。読んでから観た方がいいかも。


『クラウド アトラス』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/cloudatlas/
posted by ふくちゃん at 21:38| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(5) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月25日

映画『横道世之介』

 160分という長尺にやや腰が引けていたが、なんとなく評判が良さそうなので、新宿ピカデリーにて鑑賞。

 『悪人』の著者・吉田修一さんによる同名小説が原作ですが、『悪人』とは180度テイストの異なる作品ですね。

 主役の劇中、高良健吾さん、吉高由里子さん(快演!)だけでなく、知っている若手俳優が次々に顔を出すのですが、名前が出てこない・・・。年ですたらーっ(汗)


Story
1987年。長崎の港町生まれの18歳、横道世之介(高良健吾)は大学進学のために上京。頼みを断れないお人好しと嫌みのない図々しさが同居する彼に引き付けられ、友人となった倉持一平(池松壮亮)や加藤雄介(綾野剛)。そして、ガールフレンドとなった与謝野祥子(吉高由里子)やその他の人達。2000年代の世を大人として生きる彼らは、身の回りの出来事から、世之介の消息から、世之介と過ごした愛しい日々と優しい記憶を思い出していく・・・。


 1987年に大学入学というと僕と全く同じですね。80年代後半の雰囲気が、よく再現されていたと思います。今見るとかなりダサイですね(笑)。自分の大学時代を、懐かしく思い出しました。かつて仲良くしていて、今では疎遠になった幼少の頃から大学生の頃までの友人たちのことも。

 大きな波のほとんどない、ユルイ作品なのに、160分がほとんど苦にならない不思議。最大の衝撃は、大人になった姿を唯一見せない世之介に訪れた運命。それさえも、なんだか彼らしく、悲壮を感じさせない。

 世之介が深く関わった友人の数は決して多くはないけども、特別ではないごく普通の彼の愛らしさが、大人になった彼らの胸にはずっと残っている。羨ましいです。今も顔を合わせる中学時代の友人K氏やH氏以外のかつての友人たちは、たまには僕のことを思い出してくれるだろうか?特に自信はない(笑)。

 祥子はなぜ世之介と離れてしまったんでしょうね。タクシーに乗る現在の彼女の表情は、今も温かく世之介を思っているように見えましたけど。


『横道世之介』公式サイト
http://yonosuke-movie.com/
posted by ふくちゃん at 20:55| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(10) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月08日

映画『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』

 アカデミー賞11部門ノミネートの『ライフ・オブ・パイ』を新宿ピカデリーで鑑賞しました。

 最初にこの映画を知ったときは、てっきり“驚きの実話”かと思ったのですが、すぐに小説を原作とするフィクションと知り、関心を失いました。だって、ベンガル・トラと227日も漂流するなんて、実話なら凄いことだけど、フィクションならいくらでも好きなように描けるやろ・・・てな感じで。だから、全く観るつもりは無かったのですが・・・。

 しかし、結構評判が良いこと、映画選びの参考にもしている僕の好きな『銀の街から』(朝日新聞連載/沢木耕太郎・著)でも取り上げられたこと、この映画を観るように僕にしつこく(笑)勧める人(でも本人は観てない)がいること、当初観るつもりだったトム・クルーズ主演の『アウトロー』の評判がパッとしないこと・・・などから『ライフ・オブ・パイ』に変更したのでした。


Story
インドのボンディシェリで動物園を経営していたパテル一家は、カナダ・モントリオールに移り住むことになる。16歳の少年パイと両親、そして多くの動物たちは貨物船に乗り込むが、太平洋上を航行中、嵐に見舞われて船は沈没してしまう。ただ一人パイは救命ボートに逃れて一命を取り留めるものの、そのボートにはリチャード・パーカーと名付けられたベンガル・トラが身を潜めていた。わずかな非常食で飢えをしのぎ、家族を亡くした悲しみと孤独にも耐えるパイ。そんなパイと一頭のトラとの227日間にも及ぶ太平洋上の漂流生活が始まった・・・。
(Movie Walkerより)


 映画は、すっかり成人してカナダで暮らすパイが、小説家に向かって回想を語るという形式でスタートします。ベンガル・トラと同じボートで漂流するパイの末路は・・・というところで引っ張るものだと予想していたから、虚を衝かれました。

 もちろん、見せ場は、パイと家族を乗せた日本の貨物船が嵐に巻き込まれて遭難し、パイ、シマウマ、オラウータン、ハイエナ、ベンガル・トラが生き残ってからの物語です。

 フィクションの力を見せてもらいました。フィクションにしかできないこと、フィクションだからできることがあると、改めて思い知らされました。実話かどうかなんて、小さなことでした。

 まず、主役の“一人”ベンガル・トラ。ほぼ(100%?)CGなんですが、ほとんどの場面でスーパー・リアルで、CGには見えません。ほかのCGで作られた動物も、縦70m×横30m×深さ4mのタンク+CGで作られた海も、時にリアル、時に幻想的、美しく、見ごたえ十分でした。映画という映像芸術を堪能できます。

 日本の保険会社の調査員が、生き残った少年パイの聞き取りを行う最後のシークエンスは蛇足かな・・・。もっとも、そこでパイの話を信用しない調査員のために、パイが語り直したもうひとつの話があってこそ、「哲学的な結末」と評価される所以なのですが・・・。トラと漂流した話、もうひとつの話。果たして、どちらの話を信じるか・・・。

 僕としては、そういう意味深な問いは必要ないと思う。

 しかし、とにかくオススメできます。


『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』公式サイト
http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/
posted by ふくちゃん at 21:43| 兵庫 ☁| Comment(2) | TrackBack(15) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月24日

映画『369のメトシエラ 〜奇跡の扉〜』&2012ベスト映画

 新宿ピカデリーで、期間限定(1月19日〜2月1日)の凱旋ロードショー!という触れ込みの『369のメトシエラ』を鑑賞。

 何が“凱旋”というと、以前にも少し書きましたが「無名監督」「原作無し」「上映はミニシアター1館のみ」というこの映画が、2009年の初上映から少しずつ評判を上げて、全国30館で上映され、2011年のぴあ初日出口調査満足度ランキング1位を獲得。ついに新宿ピカデリーという東京のメジャーな映画館での上映となったわけです。

 ピカデリーの中では、小さい劇場でしたが。


Story
区役所の区民課に勤める武田俊介(大垣知哉)は、若い男・吉村俊樹(日和佑貴)から付きまとわれているが、まったく関心を持っていない。男だけでなく、役所に届けられた捨て子を前にしても一片の同情も示さず、アパートの隣室に住んでいる人間さえ知らなかった。俊介は人とまったく関わりを持たず、“ひとりで生きる”人間だった。俊樹は俊介のそんな生き方に惹かれていたが、曖昧な2人の関係は、ある夜、隣室から漏れ聞こえてきた唄によって狂い始める。どこか寂しく物悲しいその唄は俊介の神経を逆なで、耐えきれず隣の369号室のドアを叩くと、老婆・セツ(阿部百合子)がひとり住んでいた。セツは俊介に「自分は400年の長きを生き、唄に惹かれる人間を待っていた。そして、その人間が現れたとき、自分はその人に添い遂げる」と告げる。孤独な魂を持つ人間の心にこの唄は響く、とセツは詰め寄るが、俊介は取り合わない。だが毎夜止むことなく聞こえてくる唄に、やがて俊樹の様子がおかしくなっていく。互いに踏み入れることなく成り立っていた2人の関係は微妙に揺れ始め、遂に俊介はセツの正体を探り始める。ところがどこを調べても、セツには住民票もなければ戸籍、納税記録など一切の公的記録がなかった。存在しないはずの人間、謎めいた唄をひとり唄い続けるセツは、本当に400年を生きる“メトシエラ(長寿族)”なのか・・・。行き場のない若者、誰も知らない捨て子、そして存在しないはずの老婆。大都会の隙間で生きる見えない人々との出会いが俊介のすべてを一転させ、やがて彼の中にかつてなかった感情が芽生え始める・・・。
(Movie Walkerより)


 映像的には印象に残るシーンもいくつかありましたが、ちょっと観念的に過ぎるというか・・・。分かりにくい映画でした。特に、登場人物の心の動きが。

 理路整然と分かりやすければ良い・・・というものでもないでしょうが・・・。こちらの想像力・理解力にも問題があるかもしれませんが・・・・。

 コメントをくださった「通りすがりのファン」さん、申し訳ありませんあせあせ(飛び散る汗)


『369のメトシエラ 〜奇跡の扉〜』公式サイト
http://www.junglewalk.co.jp/369/


 さて、今さらですが、2012年の個人的ベスト映画をご紹介しておきます。

映画邦画
1位『おおかみこどもの雨と雪』

映画洋画
1位『アーティスト』
2位『ソウル・サーファー』
3位『レ・ミゼラブル』
4位『サラの鍵』

 『レ・ミゼラブル』は年が明けてから観ましたが、公開日は12月ということで、入れておきました。いつも投票しているインターネット映画大賞に参加しなかったのは、邦画で「これぞ!」という映画にほとんど巡り会わなかったから(そこそこ、という映画はありましたが)。エヴァやヤマト2199は完結していないので、まだ対象外です。
posted by ふくちゃん at 20:42| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月14日

宇宙戦艦ヤマト2199 第4章 銀河辺境の攻防

 ニュース報道の通り、大雪の東京です雪。新宿の地下街を通って、新宿ピカデリーへ。TV放送も、4月からTBS・MBS系で毎週日曜17:00と決定した『宇宙戦艦ヤマト2199』。第4章を鑑賞してきました。

 祝日の13:55の回ですが、満席とはなっていないようで、先行きは大丈夫かな?

 第1章から鑑賞している皆さんはご存じの通り、今回のリメイク・シリーズの特徴として、オリジナル・シリーズの小さな矛盾を逆手に取って生かしたり、第2作以降に登場したキャラクターや設定を上手に取り込んだりしていることが挙げられます。

 例えば、オリジナルの第2作(映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』または『宇宙戦艦ヤマト2』)に登場した土方竜が第1章から登場しています。彼はオリジナルでも、沖田十三の同期で親友という設定でしたが、第2作のために作られた登場人物であり、設定も後付けだから、沖田との共演はありませんでした。

 今回の第4章では『宇宙戦艦ヤマトV』の「ガルマンウルフ」が登場したり、ガミラスがガトランティス(白色彗星帝国)と交戦していたり・・・嬉しい演出があります。

 そして、ガミラスを人間としてしっかり描こうという意図もハッキリしてきました。これも大きな特徴と言えるでしょう。敵である彼らも地球人類と同じ人類であり、悪の権化ではなく、良心も誇りも葛藤もある。ヤマトの中にもガミラスの中にも様々な人間がいて、思惑や対立の芽がある・・・という点が良かったです。

 第4章の最終話。ガミラス側からの精神攻撃が描かれた第14話は、少し冗長で、なおかつ分かりにくいもので(幻影だから仕方がないけど)、頭の中は疑問符だらけになりましたが、今後の伏線になりそうな感じもあります。ところで、このエピソードでは「アクエリスの遺跡」という言葉が台詞の中にあり、ハっとしました。パンフレットには「アケーリアス」と表記されていましたが、これって『宇宙戦艦ヤマト 完結編』のアクエリアスと関係あるのでは?

 『第5章 望郷の銀河間空間』は、4月13日(土)より上映。これを観るとき、僕は関西に戻っているのか?まだ東京にいるのか?

 家に戻ってきたら、ポストの上に10cmぐらい、雪が積もっていました。
posted by ふくちゃん at 20:01| 兵庫 ☔| Comment(2) | TrackBack(6) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月08日

映画『レ・ミゼラブル』

 学校行事以外ではほとんど観劇経験のない僕でも存在は知っているロングラン・ミュージカル『レ・ミセラブル』。その映画化と聞かされても特に関心は無かったのですが・・・。

 ミュージカル映画というと子どもの頃に観た『サウンド・オブ・ミュージック』とか『雨に唄えば』、それと今年見た『アーティスト』ぐらいしか記憶にありません。どれも良い映画でしたが、ミュージカルってどこか僕にとっては敷居の高い芸術です。

 セリフのほとんどが歌・・・というのは、やはり芝居のリアリティという点で引っかかるんですね。

 でも、予告編で、通常のミュージカル映画は「現場で歌を流して、それに合わせて芝居をした後に、歌と音楽を後でダビングする」のに対して、「現場で俳優が実際に歌いながら芝居して、それをそのまま使うことで、俳優がより感情を込めて自由に歌えるようにした」というのを知って(ちょっと違うかもしれない)、興味を持ちました。


Story
格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀のフランス。ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、飢えた妹の子どものために一切れのパンを盗んだ罪で19年間も投獄される。仮釈放されたものの前科者を雇ってくれる場所もなく生活に行き詰まり、食事と寝床を提供してくれた司教の下からさえも銀器を盗んで逃亡を図る。あっけなく捕まったものの、「盗まれたのではなく、差し上げたのだ」という司教の証言に救われ、身も心も生まれ変わろうと決意。数年後、マドレーヌと名前を変え、工場経営者として成功を収め、市長の地位に上り詰めたバルジャンだったが、警部のジャベール(ラッセル・クロウ)は彼を執拗に追いかけてくるのだった。そんな中、バルジャンの知らぬうちに彼の工場から工場長によって解雇され、極貧生活を送るシングル・マザーのファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合う。売春がきっかけで命を落とした彼女から幼い娘コゼットを託されたバルジャン。ところがある日、別人がバルジャンとして逮捕されたことを知らされた彼は、法廷で自分の正体を明かして再び追われることになり、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡。コゼットに限りない愛を注ぎ、父親として美しい娘に育てあげる。だが、パリの下町で革命を志す学生たちが蜂起する事件が勃発、バルジャンやコゼットも次第に激動の波に呑まれていく・・・。
(Movie Walkerより改変)


 なかなか迫力のある囚人労働のシーンから映画はスタート。ここですぐ「音楽と歌は素晴らしいけど、こんな状況で普通歌うか・・・」と身もふたもないことを思ってしまいました(笑)。


 その後も前半は物語の展開が早いこともあって、歌のシーンは良いものの、物語としての深みが感じられず、「この長い映画(152分)に最後まで付き合うのは、ツライかも」と思いながら観ていました。

 しかし、パリの学生たちがフランス革命後に復活した王政をもう一度覆そうとするあたりから、ぐいぐい引き込まれていきました。

 最後は、素晴らしい人間賛歌に涙しそうになりましたね。いやぁ〜、観て良かった。

 幼い頃、子ども向けに翻案された『ああ無情』を読んだだけで(面白かった)、いつかは原作を・・・と思いながら今に至るのですが、これを機会に読んでみようかな。舞台版を観てみたい。


『レ・ミゼラブル』公式サイト
http://lesmiserables-movie.jp/


 今日、この作品の開演前に『369のメトシエラ』という映画を撮った監督(小林兄弟)さんが、自ら生声で映画の宣伝をされていました。2008年に撮影され、「無名監督・原作なし・最初の上映はミニ・シアター1館」からスタートとして、少しずつ評判を上げて全国30館で上映、そして1月19日(土)〜2月1日(金)の期間限定で新宿ピカデリーでの上映となったそうです。どうしようかな〜。観てみようかな〜。
posted by ふくちゃん at 21:02| 兵庫 ☁| Comment(8) | TrackBack(20) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

映画『007 スカイフォール』

 今更ですが、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドって、まだ3作目なんですね。なんだかもっと長くやっているような印象です。

 ちょうどエンディングのあたりで今日の地震でしたがく〜(落胆した顔)。新宿バルト9のシアター8は、ビルの13階。免震構造ということで、かなり長く揺れました。いつもなら、エンドロールが終わって明るくなってから劇場を出るのですが、今日は本編終了後すぐに退出しましたダッシュ(走り出すさま)

 あ〜ドキドキしたあせあせ(飛び散る汗)


Story
愛した女性を死に追いやった組織を追い詰めるべく、ハイチやボリビアなど各地を舞台に壮絶な戦いを続けるジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。ある日、直属の上司M(ジュディ・デンチ)が秘めていた過去の事件が浮かび上がってくる。その衝撃的な内容は、Mに対するボンドの信頼と忠誠心を試すかのようだった。そんな中、彼らの所属するイギリス情報局秘密情報部“MI6”が何者かの標的に。ボンドの任務は、その相手を発見し、脅威を取り除くこと。たとえ、その代償がいかに個人的なものだったとしても・・・。
(Movie Walkerより)


 冒頭のカー・チェイス車(セダン)〜バイク・チェイス。追うボンドも逃げる相手も、傍の迷惑顧みず、いろんなモノを破壊しながら、走りまくり。その後、列車の上でのアクションも、列車を破壊しつつ・・・(笑)。

 やはり、金のかけ方が違いますね。邦画でも、こういうアクションは撮れないもんですかね。始めから世界を相手にしている映画とそうでない映画の差でしょうか・・・。

 ダニエル・クレイグはかっこいいし、アクションも良いのですが、ボンド映画としてはトーンが暗いというか、シリアス過ぎますね。良く言えばリアリティがある。でも、もっと突き抜けた能天気さとカタルシスがあってもイイと思います。

 でも、全体的に安定感があるというか、手堅いクオリティで、ハズレではないです。


『007 スカイフォール』公式サイト
http://www.skyfall.jp/
posted by ふくちゃん at 21:01| 兵庫 ☀| Comment(2) | TrackBack(23) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月26日

映画『人生の特等席』

 20年ぶりに監督兼俳優ではなく、俳優専任で出演したクリント・イーストウッドの4年ぶり主演作『人生の特等席』を新宿ピカデリーにて。雨が降って、寒い1日でした。


Story
家庭を顧みず、メジャーリーグのスカウトマンとして生きてきたガス(クリント・イーストウッド)。だが、ここのところ、彼の選んだ選手は活躍できず、彼自身も年齢のせいで視力が衰えてきていた。コンピュータによるデータ主義の時代に乗り遅れたガス。彼の最後のスカウトの旅に手を貸したのは、弁護士として成功したひとり娘のミッキー(エイミー・アダムス)だった。妻を亡くして男手ひとつで育てようとして育てられなかった父。母を失った後、幼い頃から親戚や寄宿舎に預けられて「捨てられた」と思いながら大人になった娘。わだかまりを抱えた2人の旅の最後にそれぞれが見つけた人生の特等席とは……。
(Movie Walkerより改変)

 ジャスティン・ティンバーレイクに似てる俳優が出てるなぁ・・・と思っていたら、本人でした(笑)。主役級の役でした。

 アメリカ映画らしい(?)、シンプルで分かりやすい物語でした。もっと奥深い、内省的な物語を想像していましたが、ハート・ウォーミングで安心して楽しめる映画。大感動作ではありませんが、しみじみ、ほっこりの佳作です。これはこれで、まあ悪くない。

 82歳になっても、クリント・イーストウッドは、やはりカッコいいのでした。


『人生の特等席』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/troublewiththecurve/
posted by ふくちゃん at 20:53| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(15) | Cinema Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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